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片影
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かたかげ
ふりがな文庫
“
片影
(
かたかげ
)” の例文
私の教育に
惜気
(
おしげ
)
もなく掛けて呉れたのは、私を
天晴
(
あッぱ
)
れ一人前の男に仕立てたいが為であったろうけれど、私は今
眇
(
びょう
)
たる腰弁当で、浮世の
片影
(
かたかげ
)
に潜んでいる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
又警察以外の方面より見るに、これ亦この恐怖すべき出来事に対して説明の
片影
(
かたかげ
)
をだに捉へ得たるものなし。
病院横町の殺人犯
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
輕
(
かる
)
い
裾
(
すそ
)
の、すら/\と
蹴出
(
けだし
)
にかへると
同
(
おな
)
じ
色
(
いろ
)
の
洋傘
(
かうもり
)
を、
日中
(
ひなか
)
、
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
の
當
(
あた
)
るのに、
翳
(
かざ
)
しはしないで、
片影
(
かたかげ
)
を
土手
(
どて
)
に
從
(
つ
)
いて、しと/\と
手
(
て
)
に
取
(
と
)
つたは、
見
(
み
)
るさへ
帶腰
(
おびごし
)
も
弱々
(
よわ/\
)
しいので
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
桐の青葉の重げに
垂
(
た
)
るゝ一夜、暮すぎて
未
(
ま
)
だ程もあらせず、例の如く家を出でゝ彼の
老松
(
らうしよう
)
の
下
(
もと
)
に来掛りし時、突然
片影
(
かたかげ
)
より顕はれ
出
(
いづ
)
るものありと見る
間
(
ま
)
に、わが身にひたとかじりつき
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
仰向
(
あおむけ
)
になり、胸の上に片手を力なく、片手を投出し、足をのばして、口を結んだ顔は、灯の
片影
(
かたかげ
)
になって、一人すやすやと寝て居るのを、……一目見ると、それは自分であったので
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ト
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べ、
仰向
(
あをむけ
)
になり、
胸
(
むね
)
の
上
(
うへ
)
に
片手
(
かたて
)
を
力
(
ちから
)
なく、
片手
(
かたて
)
を
投出
(
なげだ
)
し、
足
(
あし
)
をのばして、
口
(
くち
)
を
結
(
むす
)
んだ
顏
(
かほ
)
は、
灯
(
ひ
)
の
片影
(
かたかげ
)
になつて、
一人
(
ひとり
)
すや/\と
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
るのを、……
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
ると、
其
(
それ
)
は
自分
(
じぶん
)
であつたので
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
影
常用漢字
中学
部首:⼺
15画
“片”で始まる語句
片
片隅
片手
片端
片頬
片方
片時
片側
片膝
片足