片付かたづけ)” の例文
右は其節そのせつ見知りの人も之れなく御取片付かたづけと相なりしに三次の申立により十兵衞の妻お安なる事相分り彌々長庵の重罪相顯あひあらはれしかば越前守猶長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「二週間」と答へたあとで、「うでもうでも、夫迄に片付かたづけなけりや、へないんだから仕方がない」と説明した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鹿児島湾の戦争幕府に要求した十万ポンドの償金は五月十日に片付かたづけて、れから今度はその英軍艦が鹿児島にいって、被害者遺族の手当として二万五千磅を要求し
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
片付かたづけ支度致したくいたすに付て金銀の入用有べし太儀たいぎながら諸所へゆかれ金子を與へ給へとて二百五十兩相渡せしかば心得候と出行いでゆく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
始めて文部省維新の騒乱も程なく治まって天下太平にむいて来たが、新政府はマダマダ跡の片付かたづけが容易な事でなくして、明治五、六年までは教育に手を着けることが出来ないで
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その方がいのちに奥行がある様な気がする。今日けふも、何時いつもなら、神秘的講義の最中さいちうに、ぱつと電燈がく所などを繰返してうれしがるはづだが、母の手紙があるので、まづ、それから片付かたづけ始めた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つもりに致しませう最早もはやおつつけ子刻こゝのつなりいざ御休み成れましと女子共に四邊あたり片付かたづけさせければ後藤は何の蛆蟲うじむし同前どうぜん奴輩やつばら某を知らざるやとのゝしりながら胴卷どうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「里見さん、里見さん。書物を片付かたづけるから、一寸ちよつと手伝つて下さい」と云ふ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
果せるかな家内のものは皆新宅へ荷物を片付かたづけに行って伽藍堂がらんどうの中に残るは我輩とペンばかりである。彼は立板に水を流すがごとく娓々びび十五分間ばかりノベツに何か云っているがごうもわからない。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その坂井さかゐには元日ぐわんじつあさはや名刺めいしんだだけで、わざと主人しゆじんかほずにもんたが、義理ぎりのあるところ一日いちにちのうちにほゞ片付かたづけ夕方ゆふがたかへつてると、留守るすあひだに、坂井さかゐがちやんとてゐたので恐縮きようしゆくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「こんなもの、うしたつて片付かたづけやうがないわね」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「えゝ」と云ふ二字で挨拶を片付かたづけた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)