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焼鏝
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やきごて
ふりがな文庫
“
焼鏝
(
やきごて
)” の例文
焼鏝
(
やきごて
)
を当てられたように感じて引っくり返ったというだけの事、誰が斬って、どうして逃げたかまるっきり見当も付かない始末です。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其れが
焼鏝
(
やきごて
)
を当てる様になり、
乃至
(
ないし
)
「ヌマ」と云ふ曲つたピンに巻いて
縮
(
ちゞ
)
らす様になると、癖を附けぬ毛の三倍程も毛は
膨
(
ふく
)
れるが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それが、金魚を見ることは、彼の小さな世界へ
焼鏝
(
やきごて
)
をさし入れるものであらねばならない。彼は金魚を見ることを恐れた。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
ぐらっと、内匠頭は、こめかみに
焼鏝
(
やきごて
)
を当てたような
眩
(
めま
)
いを感じた。
口腔
(
くち
)
の渇いているせいか、声が、かすれていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頭の
天辺
(
てっぺん
)
の薄くなった亭主が、
銅
(
あか
)
の
延片
(
のべぎれ
)
を型へ入れて巻いている。すると、櫛巻の女房が小さい
焼鏝
(
やきごて
)
を焼いて、管の合せ目へ、ジューとハンダを流す。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
▼ もっと見る
それを型から出して
焼鏝
(
やきごて
)
を当てるのですがクリームでなければ焦げた
痕
(
あと
)
が付きません。クリームは焦げやすいものですから焼鏝で好き自由な模様を描けるのです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
黒光りする
用箪笥
(
ようだんす
)
から幾束かの紙幣を取り出して、一枚一枚丁寧に
焼鏝
(
やきごて
)
をあてて
皺
(
しわ
)
を延ばして行くのであった。そして私にも金をかく愛しなはれと教訓してくれた。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
人種がちがうものだとばっかり思っていたが、あにはからんや、僕の額にもはっきり落第生の
焼鏝
(
やきごて
)
が押されてしまった。
新入
(
しんいり
)
でござんす、よろしくお願い致します。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
押しつけられた
焼鏝
(
やきごて
)
の烙印のようなものであるといっているあたり、彼の前にはまだパイオニアの行動のもつイメージ、テキサスの西部の高い草の香りが残っている。
美学入門
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
椿
(
つばき
)
と
紅梅
(
こうばい
)
の花に降る春の雪はまた永遠に友禅模様の
染色
(
そめいろ
)
の如く
絢爛
(
けんらん
)
たるべし。婦女の頭髪は
焼鏝
(
やきごて
)
をもて
殊更
(
ことさら
)
に
縮
(
ちぢら
)
さざる限り、永遠に
水櫛
(
みずくし
)
の
鬢
(
びん
)
の美しさを誇るに適すべし。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこで花のように美しい
面
(
かお
)
へ、無惨にも我れと
焼鏝
(
やきごて
)
を当てて焼いてしまいました。その強い決心にめでて禅師も、ついに姫の尼となる望みを許したということであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
独り居室にいるときでも、夜、
牀上
(
しょうじょう
)
に横になったときでも、ふとこの屈辱の思いが
萌
(
きざ
)
してくると、たちまちカーッと、
焼鏝
(
やきごて
)
をあてられるような熱い
疼
(
うず
)
くものが全身を
駈
(
か
)
けめぐる。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そして頸筋へ
焼鏝
(
やきごて
)
でも当てられたようにひりひり痛んだ。弾丸がかすったのである。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二百人の警衛づきで長崎へ引立てられ、水責の後、梯子責で失神、三日目に
焼鏝
(
やきごて
)
。
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
と、次郎は、火鉢にさしてあった
焼鏝
(
やきごて
)
を灰の中でぐるぐるまわしながら
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
(腹と背中へ
焼鏝
(
やきごて
)
をおっつける療法)
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
つやなき髪に、
焼鏝
(
やきごて
)
を
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
椿
(
つばき
)
と
紅梅
(
こうばい
)
の花に降る春の雪はまた永遠に友禅模様の
染色
(
そめいろ
)
の如く
絢爛
(
けんらん
)
たるべし。婦女の頭髪は
焼鏝
(
やきごて
)
をもて
殊更
(
ことさら
)
に
縮
(
ちぢら
)
さざる限り、永遠に
水櫛
(
みずくし
)
の
鬢
(
びん
)
の美しさを誇るに適すべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
焼
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
鏝
漢検1級
部首:⾦
19画
“焼”で始まる語句
焼
焼酎
焼夷弾
焼餅
焼火箸
焼跡
焼刃
焼麺麭
焼芋
焼火