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炬火
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きょか
ふりがな文庫
“
炬火
(
きょか
)” の例文
大天狗、小天狗、無数の天狗がみな火となって、黒風に
翔
(
か
)
けまわり、その火が落ちて、火神の御社が、忽ちまた団々たる
炬火
(
きょか
)
となる。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼らの手から手へと
炬火
(
きょか
)
を受け継がせる。彼らは相次いで、
闇黒
(
あんこく
)
にたいする神聖な戦いをなしてゆく。彼らの民衆の精神に引きずられる。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そしてまた、そのころは、自由劇場が、
小山内
(
おさない
)
さんによって提唱され、劇運動の
炬火
(
きょか
)
を押出した時でもあった。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
かの二谷を呑んだ峯の上を、見るも大なる
炬火
(
きょか
)
廿
(
にじゅう
)
ばかり、烈々として
連
(
つらな
)
り行くを仰いで、おなじ大暴風雨に処する村人の一行と知りながら、かかればこそ
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雲水の僧は身の丈六尺有余、
筋骨
(
きんこつ
)
隆々として、手足は古木のようであった。両眼は
炬火
(
きょか
)
の如くに燃え、両頬は岩塊の如く、
鼻孔
(
びこう
)
は風を吹き、口は荒縄を
縒
(
よ
)
り合せたようであった。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
一方には彼等を網羅して
之
(
これ
)
を諭し、その古来
徹骨
(
てっこつ
)
の
蒙
(
もう
)
を
啓
(
ひらき
)
て我主義に同化せしめんとの本願なれば、四面暗黒の世の中に
独
(
ひと
)
り文明の
炬火
(
きょか
)
を点じて方向を示し、百難を
冒
(
おか
)
して
唯
(
ただ
)
前進するのみ。
〔気品の泉源、智徳の模範〕
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
もしも、あなたがこれから十年二十年とこのにくさげな世のなかにどうにかして
炬火
(
きょか
)
きどりで生きとおして、それから、もいちど忘れずに私をお呼びくだされたなら、私、どんなにうれしいでしょう。
猿面冠者
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
駝象の大行列中に雄猴を
維
(
つな
)
いで
輿
(
こし
)
に載せ、頭に冠を戴かせ、輿側に人ありてこれを
扇
(
あお
)
ぎ、
炬火
(
きょか
)
晶燈見る人の眼を
眩
(
くら
)
ませ、花火を掲げ、
嬋娟
(
せんけん
)
たる妓女インドにありたけの音曲を尽し、舞踊、楽歌、放飲
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「同志よ、暗黒の中に、
炬火
(
きょか
)
をかかげたる玉井金五郎の後に続け」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
燃
え
(
ママ
)
べくして燃えざりし
炬火
(
きょか
)
を
新世紀への伴奏
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
その
漆
(
うるし
)
のようなひろい闇を
縫
(
ぬ
)
って、
鷹取峠
(
たかとりとうげ
)
から千種川をこえて城下へ流れて来る一列の
炬火
(
きょか
)
がある。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
芸術のうちにはめ込まれた利己心は、
雲雀
(
ひばり
)
どもにたいする鏡であり、弱き者どもを
妖
(
まど
)
わす
炬火
(
きょか
)
である。ジャックリーヌの周囲でも、多くの婦人が彼にとらえられたのだった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この人たちの勇気と決心は、婦人解放運動の
炬火
(
きょか
)
となったのだ。
平塚明子(らいてう)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
和田呂宋兵衛
(
わだるそんべえ
)
がさかよせをしてきたか、
膳所
(
ぜぜ
)
の城にある
徳川方
(
とくがわがた
)
の武士がきたかと、身がまえをしていると、やがて、
炬火
(
きょか
)
の
先駆
(
せんく
)
となって、
駒
(
こま
)
をとばしてきた一
騎
(
き
)
の武者。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勇壮なる争闘の神——万軍の主たる神——が君臨している圏内から外に出で、戦争地域から外に出でて、彼は自分の足下に、燃ゆる荊の
炬火
(
きょか
)
が暗夜のうちに消えてゆくのをながめた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
主従三人、
愁然
(
しゅうぜん
)
と手をつかねて湖水の
闇
(
やみ
)
を見つめていると、
瀬田川
(
せたがわ
)
の川上、——はるか
彼方
(
あなた
)
の
唐橋
(
からはし
)
の上から、
炬火
(
きょか
)
をつらねた一列の人数が、まッしぐらにそこへいそいできた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
パリーの逸楽的な
闇夜
(
やみよ
)
の中にあって、彼の心のうちには大なる炎が上がっていた。彼はいかなる信仰にも縛られていないとみずから信じていたが、実は全身が信仰の
炬火
(
きょか
)
にすぎなかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
すでに林の夜は
濃
(
こ
)
く、あいての
姿
(
すがた
)
もかすかにしか見えない
闇
(
やみ
)
! そこに、一
箇
(
こ
)
の
炬火
(
きょか
)
が
廻
(
まわ
)
っている! いな、廻っているのは独楽なのだが、あたかも、太陽のコロナのごとく
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戦国の
焦土
(
しょうど
)
から、徳川覇府の建設へと、政治的な幾変転が繰り返される間にも、文化の
炬火
(
きょか
)
は、
煌々
(
こうこう
)
と絶ゆることなく燃やし続けられたが、その文化
圏
(
けん
)
の最も輝かしい光芒は、幽斎細川
藤孝
(
ふじたか
)
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「長曾我部元親なるものも、風の中に
抛
(
ほう
)
っておけば、
炬火
(
きょか
)
になる質がある」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
らんらんとそのなかに胸中の
炬火
(
きょか
)
が燃えているのを劉備は認めた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“炬火”の意味
《名詞》
炬火(きょか、こか)
松明。かがり火。
(出典:Wiktionary)
炬
漢検1級
部首:⽕
9画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“炬火”で始まる語句
炬火持