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欠
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あく
ふりがな文庫
“
欠
(
あく
)” の例文
旧字:
缺
忽ち又近くで
堪
(
た
)
え切れぬように啼き出して、クンクンと鼻を鳴らすような時もあり、ギャオと
欠
(
あく
)
びをするような時もある。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
曾
(
かつ
)
ては彼の胸の血潮を
湧
(
わ
)
き立たせるようにした幾多の愛読書が、さながら
欠
(
あく
)
びをする静物のように、一ぱいに
塵埃
(
ほこり
)
の溜った
書棚
(
しょだな
)
の中に並んでいた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
春三郎が醫局に行つてゐる間看護婦は文太郎の寢臺の裾に椅子を置いて暫く容子を覗つてゐたが先刻來に引較べ餘り靜かになつたので
欠
(
あく
)
びを催した。
続俳諧師:――文太郎の死――
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
ペルリは
章魚
(
たこ
)
のようで、口もとがペルリとしていると思った。アダムスは大変に大きな口を開いていた。これは
欠
(
あく
)
びでもした所を写したのであろう。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
栗うりの童は、
逸足
(
いちあし
)
出
(
いだ
)
して逃去り、学生らしき男は、
欠
(
あく
)
びしつつ狗を
叱
(
しっ
)
し、女の子は
呆
(
あき
)
れて
打守
(
うちまも
)
りたり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
夜の更けるまで
欠
(
あく
)
びをしながら、
唯
(
ただ
)
ぼんやりと店の番をしてゐると、もう十一時半頃でしたらうか、いつもは十二時まで店をあけて置くんですが、今夜は右の一件ですから
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
天幕の破れ目から見ゆる砂漠の空の星、
駱駝
(
らくだ
)
の鈴の音がする。
背戸
(
せど
)
の
田圃
(
たんぼ
)
のぬかるみに映る星、
籾磨歌
(
もみすりうた
)
が聞える。甲板に立って帆柱の
尖
(
さき
)
に仰ぐ星、船室で誰やらが
欠
(
あく
)
びをする。
星
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
岡村は
欠
(
あく
)
びを
噛
(
か
)
みしめて、いや有がとう、よく解った。お繁さんは兄の冷然たる顔色に落胆した風で、兄さんは結婚してからもう駄目よと叫んだ。岡村は
何
(
な
)
に生意気なことをと目に角立てる。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そうして庭園のように、
他所
(
よそ
)
行きの
花卉
(
かき
)
だの、「見てくれ」の装飾だのがしてないところに、又しようとも思わない無造作のところに、思いさま両手を伸ばして
欠
(
あく
)
びでもするような気持になれる。
菜の花
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
と、無作法に大きな
欠
(
あく
)
びをした。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
パタリと話が
休
(
や
)
んだ。雪江さんも黙って了う、松も黙って了う。何処でか遠方で犬の啼声が聞える。
所謂
(
いわゆる
)
天使が通ったのだ。雪江さんは
欠
(
あく
)
びをしながら、
序
(
ついで
)
に
伸
(
のび
)
もして
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
欠
(
あく
)
び」
御出来
(
ごしゅったい
)
のよし。小生ただ今向鉢巻大頭痛にて大傑作製造中に候。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
と又
欠
(
あく
)
びをして、「ああああ、古屋さんの勉強の邪魔しちゃッた。
私
(
あたし
)
もう奥へ
行
(
い
)
くわ。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「ああ
辛気
(
しんき
)
だこと!」と
一夜
(
あるよ
)
お勢が
欠
(
あく
)
びまじりに云ッて
泪
(
なみだ
)
ぐンだ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お勢は退屈で退屈で、
欠
(
あく
)
びばかり出る。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
欠
常用漢字
小4
部首:⽋
4画
“欠”を含む語句
欠点
打欠
欠乏
欠伸
欠陥
欠損
欠勤
大欠伸
欠片
欠所
欠唇
大欠
補欠
喰欠
生欠伸
陥欠
欠落
事欠
欠呻
欠如
...