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樹根
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きのね
ふりがな文庫
“
樹根
(
きのね
)” の例文
路傍の林の
簇葉
(
むらは
)
は、その光を漉して、青い光を
樹根
(
きのね
)
へ投げ、林の奧は見透されないやうに、光と影が入り亂れて、不思議な思ひを起させる。
霧の旅
(旧字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
市郎は
洋杖
(
すてっき
)
を
把直
(
とりなお
)
して、物音のする
方
(
かた
)
へ飛び込んで見ると、もう遅かった。
僅
(
わずか
)
に
一足
(
ひとあし
)
違いで、トムは既に
樹根
(
きのね
)
に倒れていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
昼
(
ひる
)
は
猟
(
かり
)
して
獣
(
けもの
)
を
食
(
しよく
)
とし、夜は
樹根
(
きのね
)
岩窟
(
がんくつ
)
を
寝所
(
ねどころ
)
となし、
生木
(
なまき
)
を
焼
(
たい
)
て
寒
(
さむさ
)
を
凌
(
しのぎ
)
且
(
かつ
)
明
(
あかし
)
となし、
着
(
き
)
たまゝにて
寝臥
(
ねふし
)
をなす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
小児等
(
こどもら
)
の糸を引いて
駈
(
かけ
)
るがままに、ふらふらと舞台を飛廻り、やがて、
樹根
(
きのね
)
に
摚
(
どう
)
となりて、切なき
呼吸
(
いき
)
つく。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小児等
(
こどもら
)
の糸を引いて
駈
(
かけ
)
るがまゝに、ふら/\と舞台を
飛廻
(
とびまわ
)
り、やがて、
樹根
(
きのね
)
に
摚
(
どう
)
と成りて、切なき
呼吸
(
いき
)
つく。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
怪しの者は
首肯
(
うなず
)
いて、
忽
(
たちま
)
ちひらりと飛び出したかと見る
中
(
うち
)
に、
樹根
(
きのね
)
岩角
(
いわかど
)
を
飛越
(
とびこ
)
え、
跳越
(
はねこ
)
えて、小さい姿は霧の奥に隠れて
了
(
しま
)
った。お杉は白い息を
吐
(
は
)
いて
呵々
(
からから
)
と笑った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
やがて
麓
(
ふもと
)
に
近
(
ちかづ
)
いた頃、忠一は
唯
(
と
)
ある
樹根
(
きのね
)
に腰をかけて
草鞋
(
わらじ
)
の
緒
(
お
)
を結び直した。巡査は
之
(
これ
)
を待つ
間
(
あいだ
)
に
不図
(
ふと
)
何を見出したか、
忽
(
たちま
)
ち
疾風
(
しっぷう
)
の如くに駈け出して、あなたの岩蔭へ飛び込んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“樹根”の意味
《名詞》
樹木の根。
(出典:Wiktionary)
樹
常用漢字
小6
部首:⽊
16画
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
“樹”で始まる語句
樹
樹立
樹蔭
樹木
樹々
樹脂
樹間
樹下
樹林
樹陰