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横面
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よこづら
ふりがな文庫
“
横面
(
よこづら
)” の例文
もし夫が
臍繰金
(
へそくりがね
)
を持って居ることが分ると、大いに妻が怒ってその夫に喧嘩を仕掛け甚しきは夫の
横面
(
よこづら
)
をぶんなぐるというのもある。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
白地の
帷子
(
かたびら
)
を着た紳士の胸や、
白粉
(
おしろい
)
をつけた娘の
横面
(
よこづら
)
などへ泥草鞋がぽんと飛んで行っても、相手が子供であるから腹も立てない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼は直立不動の姿勢を取り、両膝をぎゅっと締め合わせ、
横面
(
よこづら
)
をぴしゃりと来るぐらい
屁
(
へ
)
とも思わず、いよいよ図に乗ってきた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
がんりきは平手でピシャリと
横面
(
よこづら
)
を
撲
(
なぐ
)
っておいて、足を飛ばして腹のところを蹴ると、これも
真逆
(
まっさか
)
さまに転げ落ちる。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
前へ立った
漁夫
(
りょうし
)
の肩が、石段を一歩出て、
後
(
うしろ
)
のが脚を上げ、
真中
(
まんなか
)
の大魚の
鰓
(
あご
)
が、端を
攀
(
よ
)
じっているその変な小男の、段の高さとおなじ処へ、
生々
(
なまなま
)
と出て、
横面
(
よこづら
)
を
鰭
(
ひれ
)
の血で縫おうとした。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
慶三は平手でぴっしゃりお千代の
横面
(
よこづら
)
を喰わしたが、お千代は大声で泣き出すばかり、なかなか押えた袂を放さない。老婢はうろうろして代り代りにまア旦那、まア奥さんとこれも半分は泣声である。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自動車王は鋸の腹で
横面
(
よこづら
)
を張り飛ばされたやうに目を白黒させた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鬚深
(
ひげふか
)
き
横面
(
よこづら
)
に
貼薬
(
はりくすり
)
したる
荒尾譲介
(
あらおじようすけ
)
は既に
蒼
(
あを
)
く
酔醒
(
ゑひさ
)
めて、
煌々
(
こうこう
)
たる空気ラムプの前に
襞襀
(
ひだ
)
もあらぬ
袴
(
はかま
)
の
膝
(
ひざ
)
を
丈六
(
じようろく
)
に組みて、
接待莨
(
せつたいたばこ
)
の葉巻を
燻
(
くゆ
)
しつつ意気
粛
(
おごそか
)
に、
打萎
(
うちしを
)
れたる宮と熊の敷皮を
斜
(
ななめ
)
に差向ひたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それこそは、
横面
(
よこづら
)
はられた猫のやう、唸りを発し、湧き上り
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
と言ったかと思うと慢心和尚は、いきなり手で、兵馬の
横面
(
よこづら
)
をピシャリと打ちました。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此
(
こ
)
の
風
(
かぜ
)
は……
昼間
(
ひるま
)
蒼
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んだ
山
(
やま
)
の
峡
(
かひ
)
から
起
(
おこ
)
つて、
障
(
さは
)
つて
来
(
く
)
る
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
、
岩角
(
いはかど
)
、
谷間
(
たにあひ
)
に、
白
(
しろ
)
い
雲
(
くも
)
のちぎれて
鳥
(
とり
)
の
留
(
とま
)
るやうに
見
(
み
)
えたのは
未
(
ま
)
だ
雪
(
ゆき
)
が
残
(
のこ
)
つたのか、……と
思
(
おも
)
ふほど
横面
(
よこづら
)
を
削
(
けづ
)
つて
冷
(
つめ
)
たかつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“横面”で始まる語句
横面擦
横面殴