柳腰やなぎごし)” の例文
「柳ちゃん、来たよ!」というがはやいか、横ざまに駆けてる、柳腰やなぎごし、下駄が脱げて、足の裏が美しい。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんな事をしている間に、以前の麻のすぐな突張った外線はことごとく消えてなくなり、いわゆるで肩と柳腰やなぎごしとが、今では至って普通のものになってしまったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
とにかくこの三ごうの土地をうろうろしているに違えねえので、年は二十四、五だろうが、それよりはグッと若く見えて、癆咳病ろうがいやみですから、色はすきとおるほど白く、姿は柳腰やなぎごしというやつ。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鬼子おにことよべどとびんだるおたかとて今年ことし二八にはちのつぼみの花色はないろゆたかにしてにほひこまやかに天晴あつぱ當代たうだい小町こまち衣通そとほりひめと世間せけんさぬも道理だうりあらかぜあたりもせばあの柳腰やなぎごしなにとせんと仇口あだぐちにさへうはされて五十ごとう稻荷いなり縁日えんにち後姿うしろすがたのみもはいたるわかものは榮譽えいよ幸福かうふくうへやあらん卒業そつげふ試驗しけん優等證いうとうしようなんのものかは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
りうちやん、たよ!」といふがはやいか、よこざまにけてる、柳腰やなぎごし下駄げたげて、あしうらうつくしい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)