松葉屋まつばや)” の例文
わかつた、松葉屋まつばやのおいねいもうと金次きんじ待合まちあひを出したと聞きましたが。乙「ぼく家見舞いへみまひいかず、年玉としだま義理ぎりをかけてさ。甲「し/\。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
證據しようこ召捕めしとり候へと申わたされそれより瀬川せがは并に母おたけ請人うけにん君太夫きみたいふ松葉屋まつばや桐屋きりや以下いか呼出され瀬川の本夫をつとと云は何者なにものなるやと尋問たづねらるゝに瀬川はつゝしんでかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「あの、イ……四つ目の瓦斯燈ガスとうの出てるところだよ。松葉屋まつばやと書いてあるだろう。ね。あのうちよ。」
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
……あんなのを悪縁とでも言うのでしょうか、里春はもと櫓下やぐらしたの羽織で、春之助はるのすけといったら土州屋さんもご存じかも知れない。評判の高かったあの松葉屋まつばやの春之助のことです。
「あの、ィ………四つ目の瓦斯燈ガスとうの出てるところだよ。松葉屋まつばやと書いてあるだらう。ね。あのうちよ。」とおいとしば/\橋場はしば御新造ごしんぞにつれて来られたり
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
奪ひ取たる事松葉屋まつばやの二かいにて平四郎手負ておひながら白状はくじやうに及びことに源八は本人なりと申たりサア未練みれんらしくかくすなと申されしかば兩人共一言のこたへもなく居たりしかば大岡殿どのことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
松葉屋まつばや八重花やえはな花魁を買ってゝ、これへ時々往くばかりなのさ
すると午前ほどには人通ひとゞほりがないのにず安心して、おそる/\松葉屋まつばやの前をとほつて見たが、うちの中は外から見ると非常に暗く、人の声三味線しやみせんの音さへきこえなかつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
つかは死骸しがいは小塚原へすてべきむね申渡されけれ共内々松葉屋まつばやよりはうふりけるとかや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すぐ松葉屋まつばや這入はいると、婢
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
人知れず松葉屋まつばやの前を通って、そっとお糸の姿を垣間見かいまみたいとは思ったが、あたりが余りに明過あかるすぎる。さらばこのまま路地口に立っていて、お糸が何かの用で外へ出るまでの機会を待とうか。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
人知ひとしれず松葉屋まつばやの前を通つて、そつとおいと姿すがた垣間見かいまみたいとは思つたが、あたりが余りに明過あかるすぎる。さらばのまゝ路地口ろぢぐちに立つてゐて、おいとが何かの用で外へ出るまでの機会を待たうか。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)