松屋まつや)” の例文
よひくちにははしうへ与太よた喧嘩けんくわがあるし、それから私服しふくがうるさく徘徊うろついてゝね、とう/\松屋まつやよこで三にんげられたつてふはなしなんだよ。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
観音の境内や第六区の路地や松屋まつやの屋上や隅田河畔すみだかはんのプロムナードや一銭蒸汽の甲板やそうした背景の前に数人の浅草娘あさくさむすめを点出して淡くはかない夢のような情調を
映画雑感(Ⅳ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
武「これはなんで、芝口しばぐち三丁目の紀国屋きのくにやと申すが何時も出入であつらえるのだが、其所そこへ誂えずに、本町ほんちょうの、なにアノ照降町てりふりちょう宮川みやがわで買おうと思ったら、彼店あすこは高いから止めて、浅草茅町あさくさかやちょう松屋まつやへ誂えて」
わたし其夜は口上にて委細ゐさいはなしに及べば南藏院はとくと承知し早速さつそく懇意こんいなる芝田町二丁目の阿波屋吉兵衞あはやきちべゑ品川しながは宿の河内屋與兵衞本石町二丁目の松屋まつや四郎下鎌田村しもかまだむら長谷川はせがは兵衞兩國米澤町の鼈甲屋喜助等べつかふやきすけとうの五人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
道子みちこはし欄干らんかんをよせるとともに、真暗まつくら公園こうゑんうしろそびえてゐる松屋まつや建物たてもの屋根やねまど色取いろど燈火とうくわ見上みあげるを、すぐさまはしした桟橋さんばしから河面かはづらはううつした。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
銀座ぎんざ松屋まつやの南入り口をはいるといつでも感じられるある不思議なにおいは、どういうものか先年アンナ・パヴロワの舞踊を見に行ったその一夕の帝劇ていげきの観客席の一隅いちぐうに自分の追想を誘うのである。
試験管 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
松屋まつや建物たてもの周囲ゐまはり燈火あかりすくな道端みちばたには四五にんヅヽをんなてゐないばんはない。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)