村田むらた)” の例文
れから番町の村田むらた六(後に大村益次郎おおむらますじろう)の処へ行て、その通りに勧めた所が、れは如何どうしても遣らぬと云うかんがえで、神田とは丸で説が違う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
大路おほぢあなぎつきのかげになびいてちからなささうの下駄げたのおと、村田むらたの二かい原田はらだおくきはおたがひのにおもふことおほし。
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お駒が、ぎょっとすると、日本一太郎は、彼の所有物もちもののなかで一番高価らしい、村田むらたの銀張りをからりと投げ出すように置いて、ひと膝乗り出してきた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いっしょに西洋せいよう学問がくもんをまなんだ村田むらたでさえ、このように外国人がいこくじんをおいはらえというありさまですから、いよいよ、自分じぶんのことばやおこないにをつけて
村田むらた煙管きせるいまだ世に出でざりし時、われらが祖先は既にシガレツトを口にしつつ、春日しゆんじつ煦々くくたる山口の街頭、天主会堂の十字架を仰いで、西洋機巧の文明に賛嘆の声を惜まざりしならん。
はづかしいおちましていまうちもの御座ござりませぬ、寐處ねどころ淺草町あさくさまち安宿やすやど村田むらたといふが二かいころがつて、ひたとき今夜こんやのやうにおそくまでこともありまするし
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ソリャどうもいろ/\な面白いことかあるぜ、と云う。段々きいて見ると村田むらたすなわ大村益次郎おおむらますじろうとか佐野栄寿さのえいじゅ常民つねたみ)とか云うような有志者が、皆緒方の家に出入をして居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「おい、村田むらたくん、いつ、長州ちょうしゅう(いまの山口県やまぐちけん)からかえってきたんだ。下関しものせきでは、たいへんなさわぎをおこしたようだな。じつにばかなことをしたもんだよ。あきれかえったはなしじゃないか。」
とはなしかけますと、村田むらたは、にかどをたてて、いいました。