朋達ともだち)” の例文
あののことだから、大丈夫だろうとは思うけれど、そうでもない、お朋達ともだちにおつき合で、ほかならばいが、芳原へでもくと危い。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おちついてひながらには氣弱きよわなみだのうかぶを、なにとてれにこゝろくべきかへつておれ、かへつておれ、何時いつまで此處こゝれゝばうお朋達ともだちでもなんでも
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
境は、今の騒ぎで、取落した洋傘こうもりの、寂しく打倒ぶったおれた形さえ、まだしも娑婆しゃば朋達ともだちのような頼母たのもしさに、附着くッついて腰を掛けた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いきおいよく云ったが、快く別れを告げたのではなく、学校の帰りに、どこかで朋達ともだちと別れる時のように、かかる折にはこう云うものと、規則で口へ出たのらしい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雀だってチッチッチッチッて、母様おっかさんと、父様おとっさんと、こども朋達ともだちみんなで、お談話はなしをしてるじゃあありませんか。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すゞめだつてチツチツチツチツて、母様おつかさん父様おとつさんと、こども朋達ともだちみんなで、お談話はなしをしてるじやあありませんか。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いや、私はこれでなかなか当世じゃあないんだから、女のとお附合はちっと困る、しかしお前とは改めて朋達ともだちになろう。なあ、朋達——そうだ親類とでも何とでも思いなさい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
門辺かどべにありたる多くのども我が姿を見ると、一斉に、アレさらわれものの、気狂きちがいの、狐つきを見よやといういう、砂利、小砂利をつかみて投げつくるは不断親しかりし朋達ともだちなり。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
門辺かどべにありたる多くのども我が姿を見ると、一斉いつせいに、アレさらはれものの、気狂きちがいの、狐つきを見よやといふいふ、砂利じやり小砂利こじやりをつかみて投げつくるは不断ふだん親しかりし朋達ともだちなり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
飯は済んだ、と云うのは、上野から電車で此地へ来る前に、朋達ともだち三人で、あの辺の西洋料理で夕飯を食べた。そこで飲んでね、もう大分酔っていたんです。可訝おかしくふらふらするくらい。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もっともちょっとひく感冒かぜと、眩暈めまいは持病で、都合に因れば仮託かこつけでね——以前、私の朋達ともだちが一人、これは馴染なじみが有って、別なある待合へ行った頃——ちょいちょい誘われて出掛けた時分には
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気が合ったんだから、なかがいいお朋達ともだちだろうよ。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「御新造さんは、なかよしの朋達ともだちだって。」
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(ならうがす、客人のものは持ってもれえますめえ、が、お前様、学校の先生様だ。し、私あハイ、何も教えちゃもらわねえだで、師匠じゃねえ、同士に歩行あるくだら朋達ともだちだっぺい。蟹の宰八が手ンぼうの助力さっせえ。)
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)