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有為転変
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ういてんぺん
ふりがな文庫
“
有為転変
(
ういてんぺん
)” の例文
旧字:
有爲轉變
この噴水が永遠不滅の霊魂であって、その周囲の
有為転変
(
ういてんぺん
)
にはいささかも気をとめずに絶えず歌っているもののように思われるのであった。
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
禅は仏教の
有為転変
(
ういてんぺん
)
の説と精神が物質を支配すべきであるというその要求によって家をば身を入れるただ仮りの宿と認めた。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
「……
有為転変
(
ういてんぺん
)
の世の中やと、互に見合わす顔と顔。さらば/\おさらばの、声も涙に掻き曇り、別れてこそは
出
(
いで
)
て行く」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
若い女性の身そらで、あんな乱世の中心、
有為転変
(
ういてんぺん
)
のるつぼへ、何で好んで飛びこんで行こうとなさるか。友松には気が知れん。わしは反対だ。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
句意は世の中の
有為転変
(
ういてんぺん
)
なるは桜花の少しの間に咲き満ちたると同じとなり。誰にも
能
(
よ
)
く分る句にてしかも理想を含みたれば世人には
賞翫
(
しょうがん
)
せらるるものと覚えたり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
そう
懼
(
おそ
)
れることはない。
浪
(
なみ
)
にさらわれる者は
溺
(
おぼ
)
れるが、浪に乗る者はこれを越えることができる。この
有為転変
(
ういてんぺん
)
をのり超えて
不壊不動
(
ふえふどう
)
の境地に到ることもできぬではない。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
拙者は
身世
(
しんせい
)
の
数奇
(
さっき
)
というやつで、
有為転変
(
ういてんぺん
)
の行路を極めたが、天下の大勢というものにはトンと暗い、京都はどうなっている、江戸はどうだ、それから、君の故郷の薩摩や
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
有為転変
(
ういてんぺん
)
の世の中。きのうまでは江戸一の捕物の名人。将軍の御前で捕物御前試合の勝名のりをうけたほどの身が、きょうは丸腰にされて
揚屋
(
あがりや
)
の板敷の上。変ればかわる姿である。
顎十郎捕物帳:16 菊香水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
興行方面の
有為転変
(
ういてんぺん
)
の激しさを示すべく、今ここに同書の六区の記事を掲げてみよう。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
多少の蒐集癖を持っていた従兄はこの部屋の壁にも二三枚の
油画
(
あぶらえ
)
や
水彩画
(
すいさいが
)
をかかげていた。僕はぼんやりそれらの
画
(
え
)
を見比べ、今更のように
有為転変
(
ういてんぺん
)
などと云う昔の言葉を思い出していた。
冬
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
世の中は藤原氏や菅原氏の栄枯盛衰の外にも、いろ/\な
有為転変
(
ういてんぺん
)
があった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
派手にも暮らし、
寂
(
さび
)
しくも住み、
有為転変
(
ういてんぺん
)
の世をすごすこと四十余年、兄弟とも、子とも申さず、唯血族一統の中に、一人、海軍の中将を出したのを、一生の
思出
(
おもいで
)
に、
出離隠遁
(
しゅつりいんとん
)
の身となんぬ。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
万一の事を考えると今の内に
有為転変
(
ういてんぺん
)
の理、
生者必滅
(
しょうじゃひつめつ
)
の道を説き聞かして、もしもの変が起った時取り乱さないくらいの覚悟をさせるのも、
夫
(
おっと
)
の
妻
(
つま
)
に対する義務ではあるまいかと考え出した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
むかしおとこありけるという好男子に
由縁
(
ゆかり
)
ありはらの
業平文治
(
なりひらぶんじ
)
がお話はいざ言問わんまでもなく
鄙
(
ひな
)
にも知られ都鳥の其の名に高く
隅田川
(
すみだがわ
)
月雪花
(
つきゆきはな
)
の
三
(
み
)
つに遊ぶ
圓朝
(
えんちょう
)
ぬしが人情かしら
有為転変
(
ういてんぺん
)
の世の
態
(
さま
)
を
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
中原
(
ちゅうげん
)
へ中原へと、古来から多くの武門が侵入して来ては没落し、あらゆる
有為転変
(
ういてんぺん
)
を、いつも被治者の立場から長い眼で見て来たため、自然養われて来たものかと思われる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところで、この道誉もですが、正月は一度近江へ帰国し、またすぐ
上
(
のぼ
)
りますが、しばしはこれへ伺えぬかもしれませぬ。とまれ世は
有為転変
(
ういてんぺん
)
、
蛟龍
(
こうりゅう
)
も
淵
(
ふち
)
に潜む時もありとか。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
政治だの、戦だの、そんな
有為転変
(
ういてんぺん
)
を超えて、社会よりも、高いところにあるのが僧だ、
叡山
(
えいざん
)
だ。——平家が悩む時には、平家も救ってやろう、源氏が苦しむ時には源氏もなぐさめてやろう。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さても、
有為転変
(
ういてんぺん
)
。おかしな姿をお互いに見たものですな」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戦国の世の中ほど、
有為転変
(
ういてんぺん
)
のはやいものはない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“有為転変”の意味
《名詞》
(仏教)この世のあらゆるものは常に移り変わって、ちょっとの間もとどまらないこと。また、この世は変わりやすく儚いこと。
(出典:Wiktionary)
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
転
常用漢字
小3
部首:⾞
11画
変
常用漢字
小4
部首:⼡
9画
“有為”で始まる語句
有為
有為顔
有為天変