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すりこぎ
ふりがな文庫
“
擂粉木
(
すりこぎ
)” の例文
家人たちもいかなる異変
出来
(
しゅったい
)
かと思い、おっ取り刀で、——女性たちは
擂粉木
(
すりこぎ
)
とか
鋏
(
はさみ
)
とか
箒
(
ほうき
)
などを持って、——集まって来た。
思い違い物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
御存じとは思いますが、
川越喜多院
(
かわごえきたいん
)
には、
擂粉木
(
すりこぎ
)
を
立掛
(
たてか
)
けて置かないと云う
仕来
(
しきた
)
りがあります。縦にして置くと変事がある。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれから丸半日、足を
擂粉木
(
すりこぎ
)
に飛び廻りましたよ。三河町が變な顏をするから、あつしはあつしで、外から
犯人
(
ほし
)
を擧げるつもりだつたんで」
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
縦隊を少し右へ離れて運動場の方面には砲隊が形勝の地を占めて陣地を
布
(
し
)
いている。
臥竜窟
(
がりょうくつ
)
に面して一人の将官が
擂粉木
(
すりこぎ
)
の大きな奴を持って
控
(
ひか
)
える。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
擂粉木
(
すりこぎ
)
と
擂鉢
(
すりばち
)
とを、
件
(
くだん
)
の日蓮宗派に属するお寺の坊さんが恭しく捧げて、祭壇の前へ安置した時、端坐していた道庵先生が、おもむろにそれに
一瞥
(
いちべつ
)
をくれて
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
(臺所の被れ障子を蹴放して、助八は
擂粉木
(
すりこぎ
)
を持ちて
跳
(
をど
)
り出づ。つゞいて助十は
出刃庖丁
(
でばぼうちやう
)
を持ちて出づ。)
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
焙籠鉄灸
(
あぶりこてっきゅう
)
に金火箸、
椹
(
さわら
)
の手桶は軽かつた、山椒の
擂粉木
(
すりこぎ
)
こいつァ重い、張子の松茸おお軽い(下略)
下町歳事記
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
その間に、惣右衛門は、驚きの眼を
瞠
(
みは
)
っている仲居や妓たちの間を、ずかずかと通って、ぽかんと、
擂粉木
(
すりこぎ
)
を手に立っている米磨ぎ笊の顔のそばへ、自分の顔を突きつけた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
風は無かったが、甲板で仕事をしていると、手と足の先きが
擂粉木
(
すりこぎ
)
のように感覚が無くなった。雑夫長が大声で悪態をつきながら、十四、五人の雑夫を工場に追い込んでいた。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
さっきから手にしてたたずんでいた
擂粉木
(
すりこぎ
)
を、まだ握ったまんまなので、われながらアッ! とふきだしそうになるのをおさえつつ、ほどよいところから、エヘン! 一つさりげなく咳払いをして
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一合なら五人前ぐらいになる。刻み昆布の入った擂鉢の中へ前述の醤油加減しただしを、最初少しばかり入れて、それを杉箸五本くらいを片手に持って、かきまわすのである。
擂粉木
(
すりこぎ
)
でするのもよい。
昆布とろ
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
割合に
小
(
ち
)
さき
擂粉木
(
すりこぎ
)
胡麻
(
ごま
)
をすり
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「あれから丸半日、足を
擂粉木
(
すりこぎ
)
に飛び廻りましたよ。三河町が変な顔をするから、あっしはあっしで、外から
犯人
(
ほし
)
を挙げるつもりだったんで」
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
このダムダム弾は通称をボールと
称
(
とな
)
えて、
擂粉木
(
すりこぎ
)
の大きな奴をもって任意これを敵中に発射する仕掛である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頭からすっぽりと、
米磨
(
こめと
)
ぎ
笊
(
ざる
)
を被っているのだ。手に持って来たのは、それも仲居が台所から探して来た
擂粉木
(
すりこぎ
)
であった。そして、
芸妓
(
げいしゃ
)
に解かせた
緋鹿子
(
ひがのこ
)
の
扱帯
(
しごき
)
を、後結びの
襷
(
たすき
)
にかけ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを
擂粉木
(
すりこぎ
)
のような棒で、いちいちコツコツと叩きながら一通り読み立て
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ほっとした
草臥
(
くたび
)
れた
態
(
なり
)
で、
真中
(
まんなか
)
に三方から取巻いた
食卓
(
ちゃぶだい
)
の上には、茶道具の左右に、真新しい、
擂粉木
(
すりこぎ
)
、および
杓子
(
しゃくし
)
となんいう、世の
宝貝
(
たからもの
)
の中に、最も興がった
剽軽
(
ひょうきん
)
ものが揃って乗っていて
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
健棒症だか
擂粉木
(
すりこぎ
)
だか知らないが、あれぢや何んの役にも立ちませんよ。兎に角六本木の庄司へ送り屆けて來ましたが、お銀を見せても、お舟を
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
足を
擂粉木
(
すりこぎ
)
にしていたものであろう。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突き破つて、徳利と
擂粉木
(
すりこぎ
)
が飛んで來たが、あの夫婦喧嘩と來ると、ハタの者の命が危ない。でも、どうも、大變な長屋だが、越すに越されず飛んだ難儀で——
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「尤も、大概出て來ました。翌る日か、遲くて三日目くらゐには、誰かが見付けます。簪が火鉢の灰の中に突つ立つてゐたり、
擂粉木
(
すりこぎ
)
が佛壇の中にあつたり、徳利が
水甕
(
みづがめ
)
の中に沈んでゐたり」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「もっとも、たいがい出て来ました。
翌
(
あく
)
る日か、遅くて三日目くらいには、誰かが見付けます。簪が火鉢の灰の中に突っ立っていたり、
擂粉木
(
すりこぎ
)
が仏壇の中にあったり、徳利が
水甕
(
みずがめ
)
の中に沈んでいたり」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
擂
漢検1級
部首:⼿
16画
粉
常用漢字
小5
部首:⽶
10画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“擂”で始まる語句
擂鉢
擂
擂木
擂盆
擂菜
擂交
擂番
擂餌
擂鉦
擂古木