持場もちば)” の例文
ついては、その本陣の詰所を土地の庄屋または大百姓おおびゃくしょうの家に置き、当番の組々がひそかにめいめいの持場もちばを固めることになっていた。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殘念ざんねんでならぬので、自分じぶん持場もちばを一生懸命しやうけんめいつたけれど、なにない。幻子げんし大成功だいせいかう引替ひきかへて大失敗だいしつぱいくわつぼう茫然ばうぜんとしてしまつた。
そのうち余り手間取てまどるので、安立、遠山、斎藤の三人がのぞきに這入つた。離座敷には人声がしてゐる。又持場もちばに帰つて暫く待つたが、誰も出て来ない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ポアッソニエの通りだけが彼女に許された猟区りょうくだった。その中でもキャフェ——Rが彼女の持場もちばだった。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
これ、大手おおて一のもん二の門三の門、人穴門ひとあなもん、水門、間道門かんどうもんの四つの口、すべて一時にまもるための手配てはい。いうまでもなく出門しゅつもんは厳禁。無断むだん持場もちばをうごくべからず——の軍師合図ぐんしあいず
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この疲曳よぼよぼ盲者めくらたれとかす! 若い時には銭屋五兵衛ぜにやごへえかかえで、年中千五百石積こくづみを家として、荒海を漕廻こぎまわしていた曲者くせものなのだ。新潟から直江津ね、佐渡あたり持場もちばであッたそうだ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その足で彼は、番人どもがめいめい持場もちばについているかどうかと、倉庫を見まわりに出かけたが、番人どもはちゃんと四隅よすみに立って、木の杓子しゃくしで鉄板がわりの小さい空樽あきだるたたいていた。
此者このもの共儀今曉こんげう寅刻なゝつどき頃主人近江守持場もちば御橋の中程に於て口論こうろん箇間敷がましき儀申つのり居候故番所より聲掛こゑかけ追拂はんと致せし處一圓退去たいきよ仕つらず互いにつかみ合金八十兩を双方さうはう自分の物の由申爭ひ候段御場所柄ばしよがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それよりは、持場もちば持場の守りを怠るな。この城寨じょうさいはちょうど、洪水の濁流を、じっと防いでいる堤と同じだ。堤は蜿蜒えんえんと長いが、寸土でも一尺でも、崩れたがさいご全部の破滅だ。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丹羽にわ五郎左衛門長秀持場もちば
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)