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うちみ
ふりがな文庫
“
打見
(
うちみ
)” の例文
一人二人代ってから出て来たのは、
打見
(
うちみ
)
は特色のない中年の男でしたが、何か少し話してから居ずまいを直して、
唄
(
うた
)
い出しました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
打見
(
うちみ
)
に何の
仔細
(
しさい
)
はなきが、
物怖
(
ものおじ
)
したらしい叔母の
状
(
さま
)
を、たかだか例の毛虫だろう、と笑いながら言う顔を、
情
(
なさけ
)
らしく
熟
(
じっ
)
と見て
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
与助は村の医師の独り息子で、ことし十六の筈であるが、
打見
(
うちみ
)
はようよう十一二くらいにしか見えない、ほとんど
不具
(
かたわ
)
に近い発育不全の少年であった。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
打見
(
うちみ
)
には二十七八に見える
老
(
ふ
)
けた所があるけれど、實際は漸々二十三だと云ふ事で、髭が一本も無く、烈しい氣象が眼に輝いて、少年らしい活氣の溢れた
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
打見
(
うちみ
)
る
所
(
ところ
)
、
年齢
(
とし
)
は
二十歳余
(
はたちあま
)
り、
顔
(
かお
)
は
丸顔
(
まるがお
)
の
方
(
ほう
)
で、
緻致
(
きりょう
)
はさしてよいとも
言
(
い
)
われませぬが、
何所
(
どこ
)
となく
品位
(
ひんい
)
が
備
(
そな
)
わり、
雪
(
ゆき
)
なす
富士額
(
ふしびたい
)
にくっきりと
黛
(
まゆずみ
)
が
描
(
えが
)
かれて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
打見
(
うちみ
)
れば
面目
(
めんもく
)
爽
(
さはやか
)
に、
稍傲
(
ややおご
)
れる色有れど
峻
(
さかし
)
くはあらず、しかも今陶々然として酒興を発し、春の日長の
野辺
(
のべ
)
を
辿
(
たど
)
るらんやうに、西筋の横町をこの大路に
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
らんとす。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
故人
(
こじん
)
がよみつる歌の事などさま/″\胸に迫りて、ほと/\涙もこぼれつべく、ゆかしさのいと
堪
(
た
)
へがたければ、
閨
(
ねや
)
の戸おして大空を
打見
(
うちみ
)
あぐるに、月には横雲少しかゝりて
すゞろごと
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
壻に擬せられている番頭某と五百となら、
旁
(
はた
)
から見ても好配偶である。五百は二十九歳であるが、
打見
(
うちみ
)
には二十四、五にしか見えなかった。それに抽斎はもう四十歳に満ちている。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
打見
(
うちみ
)
たところ、小作りで
華奢
(
きゃしゃ
)
で、そんな凄いところなどは少しもありません。
呪の金剛石
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
打見
(
うちみ
)
には子供らしい美和子だったが、その笑い方と云い、言葉と云い、涙ぐんで、ゴタゴタ云っている美沢や姉を
憫笑
(
びんしょう
)
し、しらじらしく眺めているというような、底知れない大胆さが含まれていた。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それにしても、この男の美しさももう三十近い筈ですが、
打見
(
うちみ
)
たところは二十一二、相変らず水も
滴
(
た
)
れそうで、こんな悪魔的な事をやり乍らも、少しも人に憎まれない不思議な魅力があります。
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
とからからと笑った、
慎
(
つつし
)
み深そうな
打見
(
うちみ
)
よりは気の軽い。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
呵々
(
から/\
)
と笑つた、
慎深
(
つゝしみふか
)
さうな
打見
(
うちみ
)
よりは
気
(
き
)
の
軽
(
かる
)
い。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
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打見遣