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わるだく
ふりがな文庫
“
悪企
(
わるだく
)” の例文
旧字:
惡企
脅
(
おど
)
かして名刺を見せましたけど、刑事とも何とも書いて無いんですの。偽刑事が人を
罠
(
わな
)
に
陥
(
おとしい
)
れようと云う
悪企
(
わるだく
)
みなんですわ……
偽刑事
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
浪五郎は仲間の者の
悪企
(
わるだく
)
みから、五年前に海賊の一味と間違えられて縛られ、もう少しで首を切られるところを、縄抜けをして助かった人です。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「見さつしやれ、牧師のやうに
温和
(
おとな
)
しくしてまさ。」と、その温和しいのを自慢に、成るべく高く売りつけよう為めに発明した怖ろしい
悪企
(
わるだく
)
みなのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
どうして食つたと云ふのですか? それは
狸
(
たぬき
)
の
悪企
(
わるだく
)
みです。婆さんを殺した
古狸
(
ふるだぬき
)
はその婆さんに
化
(
ば
)
けた上狸の肉を食はせる代りに婆さんの肉を食はせたのです。
教訓談
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「こうして休んではいられない。一刻も早く追い付いて紋十郎めの
悪企
(
わるだく
)
みを右衛門さんに話さねばならぬ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
謂わば
未曾有
(
みぞう
)
の
悪企
(
わるだく
)
みを考えつくに至った一つの重大な動機は、M県の菰田の地方では、一般に火葬というものがなく、殊に菰田家の様な上流階級では、
猶更
(
なおさ
)
らそれを
忌
(
い
)
んで
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
せっかくの
悪企
(
わるだく
)
みも水の
泡
(
あわ
)
になり定めし
其奴
(
そやつ
)
は案に相違していることでござりましょうほんに
私
(
わたくし
)
は不仕合わせどころかこの上もなく仕合わせでござります
卑怯
(
ひきょう
)
な奴の
裏
(
うら
)
を
掻
(
か
)
き鼻を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
暗誦
(
あんしょう
)
、定期的な半休や、散歩、運動場での
喧嘩
(
けんか
)
や、遊戯や、
悪企
(
わるだく
)
み、——こんな事がらが、長いあいだ忘れられていた心の
妖術
(
ようじゅつ
)
によって、あまたの感覚、かずかずの豊富な出来事
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
私
(
わし
)
種々
(
いろ/\
)
申すに申されやせん
間違
(
まちげえ
)
が有って、国の
家
(
いえ
)
が潰れかゝりやんしたから、
辛
(
つれ
)
えのを忍んで居りましたが、母や女房が
心得違
(
こころえちげ
)
えの者で、
私
(
わし
)
をマア殺すべいとまでに
悪企
(
わるだく
)
みをされやしたから
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
余吾之介様を独り
占
(
じめ
)
にしたいばかりの私の
悪企
(
わるだく
)
み、今日は
余所
(
よそ
)
ながら処刑を見物する積りで、竹矢来の外から悪魔外道の眼を光らせていた浅ましい私でございます。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こんな抜け穴を
拵
(
こしら
)
えた所を見ると、賊は非常に大げさな
悪企
(
わるだく
)
みをしていたのかも知れませんね。
折角
(
せっかく
)
の隠れ家がバレてしまって、彼奴さぞかしくやしがっている事でしょう」
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だいそれたお前の
悪企
(
わるだく
)
み! 人の噂で聞きました。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「小三郎の脇差で久兵衛を殺し、一と通り洗って自分の
行李
(
こうり
)
へ入れて置いたのも行届いた
悪企
(
わるだく
)
みだ。あれを見た時は俺も下手人はてっきり小三郎に違いないと思ったよ」
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僕は君の
悪企
(
わるだく
)
みにほとほと感心して了ったよ。よくもあんな
空事
(
そらごと
)
を考え出したもんだね。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
源次が殺されるまでは、どうかしたら
真物
(
ほんもの
)
の駆落かと思ったが、お前の話を聴いているうちに、俺にはどうも恐ろしい
悪企
(
わるだく
)
みの匂いがして来たよ。悪事を知った源次を殺して口を
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これ程
巨細
(
こさい
)
に知る為には、小山田家の召使を買収するか、彼自身が邸内に忍込んで、静子の身近く身をひそめているか、又はそれに近い
悪企
(
わるだく
)
みが行われていたと考える外はなかった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今こそ丈五郎の
悪企
(
わるだく
)
みが分った。彼は最初から私をなきものにする積りだったのだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「お前は伝六を怨んだ。そして成瀬屋一家の者を怨んだ。お前の父親をむずかしい
公事
(
くじ
)
(訴訟)に引入れて没落させ、首を縊るような目に逢わせたのは、伝六と総右衛門の
悪企
(
わるだく
)
みだと知っていた——」
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
たとい私の相手が他の婦人であったにしても、許すべからざる計画です。彼はまあ、どういう気で、こんなひどい
悪企
(
わるだく
)
みを
目論
(
もくろ
)
んだのでありましょう。それにまた、春子さんも春子さんです。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「——近ごろ本所元町の越前屋半兵衛のところに、いろいろ不思議な事が起って不気味でかなわない。いずれは悪人の
悪企
(
わるだく
)
みではあろうが、お二人のお嬢様に万一のことがあってはいけないからお知らせする——」
銭形平次捕物控:129 お吉お雪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
企
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“悪”で始まる語句
悪
悪戯
悪口
悪寒
悪魔
悪辣
悪漢
悪罵
悪戯者
悪業