“待受(まちう)” の例文
えゝ……遠(とほ)くへも行(ゆ)かないで、——藥(くすり)を買(か)はなかつた仇(あだ)をしに——待受(まちう)けてでも居(ゐ)たのでせう……直(ぢ)き二丁目(にちやうめ)の中程(なかほど)から、然(さ)うやつて提灯(ちやうちん)が見(み)え出(だ)したさうですが、主人(あるじ)かつて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
案ずるに、私が行たらば嘸(さぞ)ドウも大変な事を云うだろうと待受(まちう)けて居たに違いない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と答(こた)へると彼(かれ)は莞爾(につこ)と打笑(うちえ)み、こも/″\三人(みたり)と握手(あくしゆ)して、其儘(そのまゝ)舷梯(げんてい)を降(くだ)り、先刻(せんこく)から待受(まちう)けて居(を)つた小蒸滊船(こじやうきせん)に身(み)を移(うつ)すと、小蒸滊船(こじやうきせん)は忽(たちま)ち波(なみ)を蹴立(けた)てゝ、波止塲(はとば)の方(かた)へと歸(かへ)つて行(ゆ)く
やがて友之助と立花屋の主人(あるじ)を召捕(めしと)って相生町(あいおいちょう)の名主方へ引立(ひきた)てゝまいりました。玄関には予(かね)て待受(まちう)けて居りました小林藤十郎、左右に手先を侍(はべ)らせ、友之助を駕籠から引出して敷台に打倒(うちたお)し
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此方(こっち)が火を消したならば、恐(おそら)く勢いを得て突出(とっしゅつ)して来るであろう。そこを待受(まちう)けて囲み撃つという計略であった。守ること固きものは誘(いざの)うて之(これ)を撃つ、我が塚田巡査は孫子(そんし)の兵法(へいほう)を心得ていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と待受(まちう)けたやうに、猶豫(ためら)はず答(こた)へた……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)