けい)” の例文
旧字:
さまで大きくもあらぬけい六寸程の比較的若木わかぎであるが、魚の背骨せぼねの一方を削った様に枝は皆北方へ出て、南へは唯一本しか出て居ない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それからもう一つは、大宗寺だいそうじの庭に落ちたけい五十センチの隕石いんせきのことだが、あれを掘りだして持っていったのが、この辻川博士だということまでは分った。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
祠後の小杉しょうさん槍尖そうせんの如く、森然しんぜんとして天を刺す。これをけいすれば、幾多の小碑、行儀ぎょうぎ屏列へいれつするを見る。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
中にはへいも鏡もなくて、単に中央をくぼめて、けい五寸ばかりの石の球がめ込んであった。不思議でたまらなかったが、悪いことをしたと思うから誰にも理由を尋ねてみることができない。
幻覚の実験 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
と、竹童、手をかけたが、かばこそ、石のような重さ、咲耶子さくやことともに力をそろえて、ウムと四、五すんほど持ちあげるとあとはすなおに、ギイと蝶番ちょうつがいがきしんでけいじゃくほうの口がポンとく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
風竹ふうちくです。数竿蔵夜雨すうかんやうをぞうし、一けい鎖秋風しゅうふうをとざす
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
殺そうか殺すまいかと躊躇ちゅうちょして見て居る内に、彼は直ぐ其処そこにあるけい一寸ばかりのあな這入はいりかけた。見る中に吸わるゝ様にズル/\とすべり込んで了うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
帰化英人アダムスをして百二十トンの大船を造らしめ、太平洋を横断して、墨西哥メキシコと交通せしめ、伊達政宗だてまさむねは、図南となん鵬翼ほうよくふるわんと欲して、その臣支倉はぜくら六左衛門をして、墨西哥にけいして
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
蝦夷松えぞまつ椴松とどまつ、昔此辺の帝王ていおうであったろうと思わるゝ大木たおれて朽ち、朽ちた其木のかばねから実生みしょう若木わかぎ矗々すくすくと伸びて、若木其ものがけい一尺にあまるのがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)