のび)” の例文
「明治十二年御届としてあるね。この時分の雑誌をよむと、生命いのちのびるような気がするね。文珍報も全部揃ったのがあったら欲しいと思っているんだが。」
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ハテ品川しながは益田孝君ますだかうくんさ、一あたまが三じやくのびたといふがたちまふくろく益田君ますだくんと人のあたまにるとはじつ見上みあげたひとです、こと大茶人だいちやじん書巻しよくわんを愛してゐられます
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
何れも面部の周圍しうゐ沿そふて横長き橢圓形だえんけいの隆まり有り。且つ額の部には輪廓の上縁より多少たせうしたの方に向ひてのびたる隆まり有り。一けんはなの如くなれど其位置そのゐち上部じやうぶに寄り過ぎたり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
とらねば成ざれど貧乏消光びんばふぐらしの浪人者のうちへは來る者あらじと思へば何處いづこへなりともよめに遣んと思ふにも似ず相應の縁邊えんぺんなければ其儘に背丈せたけのびたをかゝへてをるとさて心配な者でもありとかたる一什を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きゝ今より鴻の巣迄行くには刻限こくげんおそしと申事なれば此宿にとまる積り殊に是からの四里八町は餘程のびて居るとの事ゆゑ夜にもかゝるし其上又大いに物騷ぶつさうだとかいふ事なれば先々見合せに致さうと云けるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かけんもハヤ時刻じこくのびたり併し當人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)