“居合(ゐあ)” の例文
當日(たうじつ)、席(せき)でも聞合(きゝあは)せたが、居合(ゐあ)はせた婦人連(ふじんれん)が亦(また)誰(たれ)も知(し)らぬ。其(そ)の癖(くせ)、佳薫(いゝかをり)のする花(はな)だと云(い)つて、小(ちひ)さな枝(えだ)ながら硝子杯(コツプ)に插(さ)して居(ゐ)たのがあつた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
後日(ごじつ)、東京驛(とうきやうえき)へ歸(かへ)つた時(とき)、居合(ゐあ)はせた赤帽君(あかばうくん)に、その二十四——のを聞(き)くと、丁(ちやう)ど非番(ひばん)で休(やす)みだと云(い)ふ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
其處(そこ)に居合(ゐあ)はせた禿頭(とくとう)白髯(はくぜん)の、見(み)も知(し)らない老紳士(らうしんし)に聞(き)く私(わたし)の聲(こゑ)も震(ふる)へれば、老紳士(らうしんし)の脣(くちびる)の色(いろ)も、尾花(をばな)の中(なか)に、たとへば、なめくぢの這(は)ふ如(ごと)く土氣色(つちけいろ)に變(かは)つて居(ゐ)た。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
丁(ちやう)ど居合(ゐあ)はせた権七(ごんしち)の顔(かほ)を目(め)を挙(あ)げて恁(か)う見(み)ると……日(ひ)に焼(や)けた色(いろ)の黒(くろ)いのが又(また)恐(おそ)ろしく真黒(まつくろ)で、額(ひたひ)が出(で)て、唇(くちびる)が長(なが)く反(そ)つて、目(め)ががつくりと窪(くぼ)んだ、其(そ)の目(め)がピカ/\と光(ひか)つて、ふツふツ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)