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寸斷
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すんだん
幾度幾通の
御文を
拜見だにせぬ
我れいかばかり
憎しと
思召すらん、
拜さば
此胸寸斷になりて
常の
決心の
消えうせん
覺束なさ
例へば、
溶解せる
鉛を
口に
入るゝとも、
少しも
不思議には
思はぬであらう。が、
若し
是が
他の
所に
於ては
如何であらうか、
公衆と、
新聞紙とは
必ず
此の
如き
監獄は、とうに
寸斷にして
了つたであらう。
目元に
宿れる
露もなく、
思ひ
切りたる
決心の
色もなく、
微笑の
面の
手もふるへで、
一通二通八九通、
殘りなく
寸斷に
爲し
了りて、
熾んにもえ
立つ
炭火の
中へ
打込みつ
打込みつ