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安々
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やすやす
ふりがな文庫
“
安々
(
やすやす
)” の例文
が、さらに一月ばかり経って見ると、
反
(
かえ
)
って彼はそのために、前よりも
猶
(
なお
)
安々
(
やすやす
)
と、いつまでも
醒
(
さ
)
めない
酔
(
よい
)
のような、怪しい幸福に
浸
(
ひた
)
る事が出来た。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
つばめらは、
予期
(
よき
)
したごとく、
嵐
(
あらし
)
を
脊
(
せ
)
に
負
(
お
)
って、
安々
(
やすやす
)
と
島
(
しま
)
に
着
(
つ
)
いたけれど、
蛾
(
が
)
たちは、ひとたまりもなく、
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へ
吹
(
ふ
)
き
落
(
お
)
とされて
死
(
し
)
んでしまったのであります。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
少年 ええ、ええ、
安々
(
やすやす
)
と越せたのよ。私を連れて来たその人がね。私の手を引いて門の前まで来ると、門が自然と両方に
開
(
あ
)
いて、二人が
這入
(
はい
)
るとまたしまったのよ。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
屏風
(
びょうぶ
)
を立てたるが如き処を
安々
(
やすやす
)
と登りて、医師の
門口
(
かどぐち
)
まで来りて掻き消すが如くに失せたり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
買って帰って読んだ
浩澣
(
こうかん
)
な医書によって見ても、その手術は割合に簡単なものであるのを知り抜いていたから、その事については割合に
安々
(
やすやす
)
とした心持ちでいる事ができた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
さて
翌年
(
よくねん
)
の
正月元日
(
しょうがつがんじつ
)
の
朝
(
あさ
)
、お
妃
(
きさき
)
はいつものように
御殿
(
ごてん
)
の中を
歩
(
ある
)
きながら、お
厩
(
うまや
)
の
戸口
(
とぐち
)
までいらっしゃいますと、にわかにお
産気
(
さんけ
)
がついて、そこへ
安々
(
やすやす
)
と
美
(
うつく
)
しい
男
(
おとこ
)
の
御子
(
みこ
)
をお
生
(
う
)
みおとしになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
爪尖
(
つまさき
)
も
辷
(
すべ
)
らず、
静
(
しずか
)
に
安々
(
やすやす
)
と下りられた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一瞬間の後陳彩は、
安々
(
やすやす
)
塀を乗り越えると、庭の松の間をくぐりくぐり、
首尾
(
しゅび
)
よく二階の真下にある、客間の窓際へ忍び寄った。そこには花も葉も露に濡れた、水々しい
夾竹桃
(
きょうちくとう
)
の一むらが、………
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
々
3画
“安”で始まる語句
安
安堵
安心
安房
安全
安芸
安穏
安土
安否
安宅