土煙つちけむり)” の例文
遂に六億万年前の古世代までやって来ると……ドウダ……天地をくつがえす大噴火、大雷雨、大海嘯おおつなみ、大地震の火煙ひけむり、水けむり、土煙つちけむり
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
地軸ちじくが裂けるような一大音響をたててとうとう横たおしにたおれてしまい、地上はたちま阿鼻叫喚あびきょうかんちまたと化し、土煙つちけむり火焔かえんとが、やがて租界をおし包んでしまったこと
麹町かうぢまち番町ばんちやう火事くわじは、わたしたち鄰家りんか二三軒にさんげんが、みな跣足はだし逃出にげだして、片側かたがは平家ひらや屋根やねからかはら土煙つちけむりげてくづるゝ向側むかうがは駈拔かけぬけて、いくらか危險きけんすくなさうな、四角よつかどまがつた
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何時間かののち、この歩兵陣地の上には、もう彼我ひがの砲弾が、すさまじいうなりを飛ばせていた。目の前に聳えた松樹山の山腹にも、李家屯りかとんの我海軍砲は、幾たびか黄色い土煙つちけむりを揚げた。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
師走しわすからこのかた湿りがなく、春とはほんの名ばかり、筑波つくばから来る名代のからッ風が、夕方になるとうしとらへまわり、こずえおろしに枯葉を巻き土煙つちけむりをあげ、斬りつけるようにビュウと吹き通る。
道の三百メートルばかり向こうで、ぱーッと物すごい土煙つちけむりがあがった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
車の後輪をかすめて、また土堤の側面で壮大な土煙つちけむりをあげる。
土煙つちけむりのかなた
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)