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そのう
ふりがな文庫
“
園生
(
そのう
)” の例文
往来より突抜けて物置の
後
(
うしろ
)
の
園生
(
そのう
)
まで、土間の
通庭
(
とおりにわ
)
になりおりて、その半ばに飲井戸あり。井戸に
推並
(
おしなら
)
びて勝手あり、横に
二個
(
ふたつ
)
の
竈
(
かまど
)
を並べつ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは現世の
園生
(
そのう
)
に咲く神から贈られた草花である。この世の凡ての旅人は、色様々なその間を歩む。さもなくば道は
沙漠
(
さばく
)
に化したであろう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
紺碧
(
こんぺき
)
の海に対し、渚にはまるで
毒茸
(
どくたけ
)
の
園生
(
そのう
)
のように、強烈な色彩をもったシーショアパラソル、そして、テントが
処
(
ところ
)
せまきまでにぶちまかれる。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
今日もカスタニアンと云う黄いろい
薔薇
(
ばら
)
がざくりと床の間の
花瓶
(
かびん
)
に差されている。
銀杏
(
いちょう
)
の葉、すこし
零
(
こぼ
)
れてなつかしき、薔薇の
園生
(
そのう
)
の霜じめりかな。
晩菊
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
九天たかき神の
園生
(
そのう
)
、われは
草鞋
(
わらじ
)
のままにてあがりこみ、たしかに神域犯したてまつりて、けれども恐れず、この手でただいま、御園の花を
手折
(
たお
)
って来ました。
二十世紀旗手
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
後醍醐
(
ごだいご
)
天皇、
大塔宮
(
だいとうのみや
)
、竹の
園生
(
そのう
)
の
御方々
(
おんかたがた
)
は、申すもかしこき極みであり、
楠木正成
(
くすのきまさしげ
)
、
新田義貞
(
にったよしさだ
)
、
名和長年
(
なわながとし
)
というような、南朝方の勤王の士や、
北条高時
(
ほうじょうたかとき
)
、
足利尊氏
(
あしかがたかうじ
)
、これら逆臣の者どもが
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「おなじ
竹
(
たけ
)
の
園生
(
そのう
)
、おなじ御子ながら、違うものかな」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一時
(
あるとき
)
は先立ちて
園生
(
そのう
)
をそぞろあるきしたまうことあり。さる折には、われ家を出づる時、心の急がざることあらざりき。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは現世の
園生
(
そのう
)
に咲く神から贈られた草花である。この世のすべての旅人は、色さまざまなその間を歩む。さもなくば道は砂漠に化したであろう。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
口の減らない
爺
(
じじい
)
めが、何を
痴事
(
たわごと
)
吐
(
ぬ
)
かしおる! 我が
日本
(
ひのもと
)
は神国じゃ。神の
御末
(
みすえ
)
は連綿と竹の
園生
(
そのう
)
に生い立ち
在
(
おわ
)
す。
海人
(
あま
)
が潮汲む浦の
苫屋
(
とまや
)
、
賤
(
しず
)
が
薪
(
まき
)
切る山の
伏屋
(
ふせや
)
、みなこれ
大君
(
おおぎみ
)
の物ならぬはない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お雪は細い
音
(
ね
)
に立てて唇を吸って招きながら、つかつかと出て
袂
(
たもと
)
を振った、横ぎる光の蛍の火に、細い姿は
園生
(
そのう
)
にちらちら、髪も見えた、
仄
(
ほのか
)
に雪なす顔を向けて
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よき器は周囲を
醇化
(
じゅんか
)
する。人々は気付かずとも、如何に工藝の花に、生活の
園生
(
そのう
)
が彩られているであろう。そうして如何に
荒
(
すさ
)
みがちな人々の心が、それらによって柔らげられているであろう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「
賑
(
にぎや
)
かだね、柳沢、」と窓の下の
園生
(
そのう
)
から声を懸けたものがある。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
園
常用漢字
小2
部首:⼞
13画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“園”で始まる語句
園
園丁
園城寺
園子
園亭
園内
園太暦
園部
園原
園女