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囂々
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がう/\
ふりがな文庫
“
囂々
(
がう/\
)” の例文
二等煉瓦の
巷
(
ちまた
)
には行人既に
稀
(
まれ
)
なるも、同胞新聞社の工場には今や目も
眩
(
ま
)
ふばかりに運転する機械の響
囂々
(
がう/\
)
として、
明日
(
あす
)
の新聞を吐き出だしつゝあり、板敷の広き一室
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
今朝、漁師急馳して海に出で、
村媼
(
そんあう
)
囂々
(
がう/\
)
として漁獲を論ず。
午
(
ひる
)
を過ぐる頃、先づ
回
(
かへ
)
るの船は吉報を
齎
(
もた
)
らし来る。之に次ぐものは鰹魚を積んで帰り、村中の老弱海浜に
鳩
(
あつ
)
まる。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
群集
(
ぐんしふ
)
は
唯
(
たゞ
)
囂々
(
がう/\
)
として
混亂
(
こんらん
)
した
響
(
ひゞき
)
の
中
(
なか
)
に
騷擾
(
さうぜう
)
を
極
(
きは
)
めた。
火
(
ひ
)
の
力
(
ちから
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
周圍
(
しうゐ
)
の
村落
(
そんらく
)
をも一つに
吸收
(
きふしう
)
した。
然
(
しか
)
しながら、
其
(
そ
)
の
群集
(
ぐんしふ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
を
顧
(
かへり
)
みようとはしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此爭論
囂々
(
がう/\
)
の際に當て、帝室が左を助る歟、又は右を庇護する等の事もあらば、熱中煩悶の政黨は、一方の得意なる程に一方の不平を増し、其不平の極は帝室を怨望する者あるに至る可し。
帝室論
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
会衆は再び騒ぎ立てり「畜生」「馬鹿野郎」「除名せよ」「斬つて仕舞へ」等の声は一隅より
囂々
(
がう/\
)
と起れり「
誣告
(
ぶこく
)
」「中傷」「証拠を示せ」等の声は他の一隅より
喧々
(
けん/\
)
と起れり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
後
(
うしろ
)
の
林
(
はやし
)
の
稍
(
やゝ
)
俛首
(
うなだ
)
れた
竹
(
たけ
)
の
外側
(
そとがは
)
がぐるりと
燒
(
や
)
かれて
變色
(
へんしよく
)
して
居
(
ゐ
)
たのが
彼
(
かれ
)
の
目
(
め
)
に
映
(
えい
)
じた。それと
共
(
とも
)
に
彼
(
かれ
)
は
隣
(
となり
)
の
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
の
群集
(
ぐんしふ
)
の
囂々
(
がう/\
)
と
騷
(
さわ
)
ぐのを
耳
(
みゝ
)
にして
自分
(
じぶん
)
が
今
(
いま
)
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
疾走
(
しつそう
)
して
來
(
き
)
たかを
心
(
こゝろ
)
づいた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
神田
美土代町
(
みとしろちやう
)
なる青年会館の門前には、黒山の如き群集の
喧々
(
けん/\
)
囂々
(
がう/\
)
たるを見る
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
囂
漢検1級
部首:⼝
21画
々
3画
“囂々”で始まる語句
囂々音