のう)” の例文
献帝は、そう仰っしゃって、李司馬の許へ使いを立て、一のうの米と、一の牛肉を要求された。すると、李傕がやって来て
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
〔評〕南洲、顯職けんしよくに居り勳功くんこうふと雖、身極めて質素しつそなり。朝廷たまふ所の賞典しやうてん二千石は、こと/″\く私學校のつ。貧困ひんこんなる者あれば、のうかたぶけて之をすくふ。
爆発管も火薬のうも用意していなかったギーユミノーの不運な軽率。砲兵隊が泥濘でいねいに足を取られたこと。護衛のない十五門の砲がある凹路おうろでアクスブリッジのために転覆されたこと。
我窮せざりし時に我に信用ありしもわがのうの空しくなると同時にわがことばは信ぜられざるに至れり、われ友をうも彼れ我を見るを好まず、我れ彼に援助たすけを乞えば嫌悪以て我に答う
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
と、一のうの金銀を彼に贈った。いやこんな物はと、断るのを、三名がってのことばに、ついに懐中ふところにおさめて去った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入れ代りに従者らしき男が一のう沙金さきんをおいて風の如くぷッと去ってしまった。なんたる大人たいじんぶり、いやきもッ玉だろう。てんで歯の立つ相手ではない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巻絹十ぴき、砂金一のう、酒一、大鯛一台などの品々を供にになわせて、そのお使者は、女輿おんなごしを中門で降り、色代しきたいうやうやしげに——若殿さま御婚礼のお祝いに
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いざとの立ち際にも、劉高はそっと一のう沙金さきんを袖の下へつかい「諸事、よろしく」と黄信のくつをも拝さんばかりなかた、ともに、青州行きの列に従った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その勢二十余万、蛮土の降参兵を加うること一万余、一兵ごとに一のうにない、早くも三江の城壁へ迫った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、そこへ広蓋ひろぶたに載せた種々くさぐさ音物いんもつに、一のうの砂金まで贈っていた。幕府内の有力な者が地方へ出れば、ところの地頭や守護は、あいさつとして、通例、こういう礼を執ってくる。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄徳はそれを一のうに納めて、実直な兵を一人撰抜し
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)