とふ)” の例文
かたぶ其許そのもと何時いつ江戸へ參られしやととふに彦三郎は今朝こんてう福井町へちやくすぐに承まはりたゞし只今爰許こゝもとへ參りしと申ゆゑ彌々いよ/\合點行ず段々樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
曲翠きよくすゐとふ発句ほつくを取りあつめ、集作ると云へる、此道の執心しふしんなるべきや。をういはく、これ卑しき心よりわが上手じやうずなるを知られんと我を忘れたる名聞よりいづる事也。」
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其後多く年経て此訓をなして、山城の稲荷山の荷田の家にとふに、全く古大人の訓にひとしといひおこせたり。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
權藏ごんざういま如何どうしてますか』ととふたのはハーバードである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
聞くに今日商賣の出先でさき神田紺屋町のうらにて職人衆が酒を飮て居ながら斯樣々々申されしが私にはすこしわからず何の事なるやととふに長兵衞は少し笑ひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
正秀せいしうとふ、古今集に空に知られぬ雪ぞ降りける、人に知られぬ花や咲くらん、春に知られぬ花ぞ咲くなる、一集にこの三首を撰す。一集一作者にかやうの事ためしあるにや。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なさざれば其方をつと有ると思ふかやをつとはやなきなり因て我にしたがふべしと云ひければお梅は不審いぶかり何故なにゆゑをつとなしと云ひ給ふととふに粂之進は微笑ほゝゑみ其方が夫喜八は火附盜賊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)