唐風からふう)” の例文
もし数艘の小舟に、唐風からふうの飾り傘をささせて、それに江口の君たちを乗せ、そこの蘆むらから漕ぎ出させても、不自然に見えない程だ。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左右のがけから紅に黄に染みたもみじが枝をさしのべ落葉を散らして、頭上はにしき、足も錦を踏んで行く。一丁も上って唐風からふうの小門に来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
服装ふくそう筒袖式つつそでしき桃色ももいろ衣服きもの頭髪かみ左右さゆうけて、背部うしろほうでくるくるとまるめてるところは、ても御国風みくにふうよりは唐風からふうちかいもので
長崎の山々は深緑を畳み、その間に唐風からふう堂寺台閣どうじだいかくがチラホラと隠見いんけんする。右手の丘山おかやま斜面なぞえには聖福寺せいふくじ崇徳寺すうとくじの唐瓦。
あの教義をただ断片的に暗誦あんしょうして博識ぶったり、あの唐風からふうの詩から小手先の技巧を模倣もほうしてみたりしたところで何になるでしょう? 要するに僕は
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
唐風からふうの画像思へば大き人いまもゆたけくここに居らすかも
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それは二十四、五歳の白皙紅唇はくせきこうしんの若者だった。細い美しいひげやし、その髭を唐風からふうでなく、北欧人のように上へピンとねあげている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして何処どこやらに唐風からふうなところがあります。ずその御門ごもんでございますが、屋根やね両端りょうたん上方うえにしゃくれて、たいそう光沢つやのある、大型おおがた立派りっぱかわらいてあります。
ひとりごちながら寝台ねだいをおり、二階の窓ぎわへ、唐風からふう朱椅子あかいすをかつぎだして、そこへ頬杖ほおづえをついたのは、こういう異人屋敷いじんやしきにふさわしい和田呂宋兵衛わだるそんべえ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二十二、唐風からふうの御殿
叫絶きょうぜつかん、これは唐風からふう彼国かのくにの表情表現法で、わが国の春語のごとく、くとはいわない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)