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のどもと
ふりがな文庫
“
咽喉元
(
のどもと
)” の例文
咽喉元
(
のどもと
)
過ぐれば熱さを忘れると云って、よく、忘れては
怪
(
け
)
しからんように持ち掛けてくるが、あれは忘れる方が当り前で、忘れない方が
嘘
(
うそ
)
である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
突然
(
いきなり
)
山三郎の提げておりました所の關の兼元の
刄
(
は
)
の方へ両手を掛けて自らぐっと首筋をさし附けて、
咽喉元
(
のどもと
)
をがっくり、あっと云って前へのめるから
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は直ちに
匕首
(
あいくち
)
が自分の
咽喉元
(
のどもと
)
へ突き刺さるだろうと観念していると、曲者は一方の腕で何処までも頸を
扼
(
やく
)
したまゝ、一方の手で二度も三度も顔の上を
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かくておきみは、この老婆の手によつて、そのかぼそい
咽喉元
(
のどもと
)
を完全に
掴
(
つか
)
み取られてしまつたのであつた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
と
奧方
(
おくがた
)
衣紋
(
えもん
)
を
合
(
あは
)
せて、
序
(
ついで
)
に
下襦袢
(
したじゆばん
)
の
白
(
しろ
)
い
襟
(
えり
)
と
云
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
を
厭味
(
いやみ
)
に
出
(
だ
)
して、
咽喉元
(
のどもと
)
で
一
(
ひと
)
つ
扱
(
しご
)
いたものなり。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
そもそもこの
度
(
たび
)
、京都の騒動、聞いてもくんねえ、長州事件の
咽喉元
(
のどもと
)
過ぐれば、熱さを忘れる
譬
(
たと
)
えに
違
(
たが
)
わぬ、天下の旗本、今の時節を何と思うぞ、一同こぞって
愁訴
(
しゅうそ
)
をやらかせ
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
良心は暴君と變り、情熱の
咽喉元
(
のどもと
)
を掴み、嘲笑して彼女にその可愛い足を
泥濘
(
ぬかるみ
)
の中に
浸
(
ひた
)
すばかりだと云ひ、彼はその鐵の腕をもつて彼女を底知れぬ苦惱の深淵に突き落とすと誓ふのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
源吉は、胃の中のものが、
咽喉元
(
のどもと
)
にこみ上って、クラクラッと
眩暈
(
めまい
)
を感ずると、
周囲
(
あたり
)
が、急に黒いもやもやしたものに
閉
(
とざ
)
され、後頭部に、いきなり、
叩
(
たた
)
き
前倒
(
のめ
)
されたような、激痛を受けた。
鉄路
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
夫人の実父の老
両班
(
ヤンパン
)
は、いきなり腰の刀を抜いて夫人の
咽喉元
(
のどもと
)
を刺した。
悪僧
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
甘い涙が、
咽喉元
(
のどもと
)
まで、
溢
(
あふ
)
れさうな気持ちだつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
飯の
気
(
け
)
を離れる事約二昼夜になるんだから、いかに魂が萎縮しているこの際でも、
御櫃
(
おはち
)
の影を見るや否や食慾は猛然として
咽喉元
(
のどもと
)
まで詰め寄せて来た。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おきみはその
咽喉元
(
のどもと
)
を絞められて、この闇のどん底へ叩きのめされてしまつたとしても、周三だけはむしろ餘計者として他界へ
抛
(
はふ
)
り出されるのかと思ひの外、同じやうに、その首と足とに
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
長州征伐
咽喉元
(
のどもと
)
過ぎれば
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その
妖怪
(
えうくわい
)
の凄みでおきみを引つ捕へて一室に監禁し、脅迫し、その法律的犯罪をも絞り出して、彼女の
咽喉元
(
のどもと
)
を完全に抑へ込み、同時に周三をも「捕へた一匹の生き餌」としてしまつたことは
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
咽
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
喉
常用漢字
中学
部首:⼝
12画
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
“咽喉”で始まる語句
咽喉
咽喉笛
咽喉仏
咽喉首
咽喉頸
咽喉部
咽喉太
咽喉佛
咽喉輪
咽喉管