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取毀
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とりこわ
ふりがな文庫
“
取毀
(
とりこわ
)” の例文
それならばいっそ
取毀
(
とりこわ
)
して建て換えろというので、その翌年の春、職人を入れてすっかり取毀させて、新しく建て直したのですよ。
怪獣
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
嘗
(
かつ
)
て同校設置の際、
取毀
(
とりこわ
)
されたる民家のうち、校長
森栖
(
もりす
)
氏の意見により、同校生徒の作法
稽古場
(
けいこば
)
として取残されたものであるが、その後
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
譲り受けて、丹念に
取毀
(
とりこわ
)
し、そうして我々の胆吹山麓、
上平館
(
かみひらやかた
)
の王国の中へそのまま移し換えることはできないものでしょうか。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
家は
取毀
(
とりこわ
)
して仕舞ったのだ、すると
己
(
おら
)
ア友達が羽生村に居て、
此方
(
こっち
)
へ来たときに貰っただアが、
汝
(
われ
)
使って見ねえか
宜
(
よ
)
く切れるだが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ならず者みたような男を三人伴れて来て、この長屋は
取毀
(
とりこわ
)
すことになったから、二十一軒ぜんぶ出ていけって云うんです」
赤ひげ診療譚:07 おくめ殺し
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
村人が寄り集ひ、草庵を
取毀
(
とりこわ
)
したところ、仏壇の下に当つた縁下に、大きな獣骨を発見した。片てのひらの白骨に朱の花の字がしみついてゐた。
閑山
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
宅のすぐ向う側に風呂屋が建つことになって、昨日から
取毀
(
とりこわ
)
しが始まった。この出来事によって今年の夏の暑さの記憶は相当に濃厚なものになるであろうと思われる。
夏
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
伊志田屋敷の裏手には、建物を
取毀
(
とりこわ
)
したまま永いあいだ空地になっている原っぱがあった。夜更けの十一時、
闇
(
やみ
)
の原っぱの立木の茂みの
蔭
(
かげ
)
に、人の息遣いが聞こえた。
暗黒星
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それですのにこの不釣合いな用材は察するところ、以前こゝに大きな屋敷のあったものが他は
取毀
(
とりこわ
)
して、建物の一角だけ残され、新な母家にしたのではありますまいか。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
古家ばかり買い込んで、小人数には広過ぎ、手長足長、血のめぐりの悪い此住居を
取毀
(
とりこわ
)
し、しっくりとした洋式住宅を建てよう心算は
夙
(
とく
)
に出来て居ますが、実現がまだ出来ません。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
取毀
(
とりこわ
)
すのも面倒といった工合いに置き残されていて、それを見ると、不思議に文化が感ぜられ、
流石
(
さすが
)
に明治初年に栄えた港だということが、私のような鈍感な旅行者にもわかるのです。
みみずく通信
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
村人が寄り集い、草庵を
取毀
(
とりこわ
)
したところ、仏壇の下に当った縁下に、大きな獣骨を発見した。片てのひらの白骨に朱の花の字がしみついていた。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それが五代将軍綱吉の殺生禁断の時代に
取毀
(
とりこわ
)
されて、その後は
木母寺
(
もくぼじ
)
または弘福寺を将軍の休息所にあてていたということであるが、大原家の記録によると
鐘ヶ淵
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
巨万の財産を死蔵して、珍書画の蒐集に没頭していた故伯爵が四五年前に肺病で死ぬと間もなく未亡人は、旧邸宅の大部分を
取毀
(
とりこわ
)
して貸家を建てて、元銀行員の
差配
(
さはい
)
を置いた。
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今ではもう昔の教室の建物はすっかり
取毀
(
とりこわ
)
されてしまって、昔の机などどうなったか
行衛
(
ゆくえ
)
も分らず、ましてやその抽出しの中の古手紙など尋ねるよすがもなくなってしまった訳である。
埋もれた漱石伝記資料
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
で、その後も
兎
(
と
)
かくに
其
(
そ
)
の窓から
墜
(
お
)
ちる人があるので、
当時
(
いま
)
の殿様も
酷
(
ひど
)
くそれを気にかけて、
近々
(
ちかぢか
)
の
中
(
うち
)
にアノ窓を
取毀
(
とりこわ
)
して
建直
(
たてなお
)
すとか云ってお
在
(
いで
)
なさるそうですよ
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
竹内さんに獅子が来たというと、小児は雑煮の箸を
投
(
ほう
)
り
出
(
だ
)
して
皆
(
みん
)
な駈け出したものであった。その邸は二十七、八年頃に
取毀
(
とりこわ
)
されて、その跡に数軒の家が建てられた。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
で、今頃は
其
(
そ
)
の窓も容赦なく
取毀
(
とりこわ
)
されて、
継母
(
ままはは
)
の執念も
其
(
そ
)
の
憑
(
よ
)
る所を失ったであろうか。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
殊に維新以後はその武家屋敷の
取毀
(
とりこわ
)
されたのもあり、あるいは住む人もない
空屋敷
(
あきやしき
)
となって荒れるがままに捨てて置かれるのもあるという始末で、さらに一層の
寂寥
(
せきりょう
)
を増していた。
穴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
で、
主人
(
あるじ
)
の
驚愕
(
おどろき
)
は私よりも又一倍で、そう聞く上は最早一刻も猶予は出来ぬ、早速その窓を
取毀
(
とりこわ
)
し、
時宜
(
じき
)
に
依
(
よ
)
れば
其
(
そ
)
の室全体を
取壊
(
とりくず
)
して
了
(
しま
)
わねばならぬと、
直
(
すぐ
)
に家令を呼んで
其
(
そ
)
の
趣
(
おもむき
)
を命令した。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
毀
常用漢字
中学
部首:⽎
13画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付