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午餐過
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ひるすぎ
勘次は
午餐過になつて
復た
外に
出た。
紛糾かつた
心を
持つて
彼は
少し
俛首れつつ
歩いた。
暖かな
光は
畑の
土の
處々さらりと
乾かし
始めた。
次の
日の
午餐過に
卯平は
使と
共にのつそりと
其の
長大な
躯幹を
表の
戸口に
運ばせた。
彼は
閾を
跨ぐと
共に、
其時はもう
只痛い/\というて
泣訴して
居る
病人の
聲を
聞いた。
午餐過からおつぎは
縫針へ
絲を
透して
竿へ
附けて
與吉に
持たせた。
與吉は
外の
子供のするやうに
其の
針を
擧げて
見ては
又水へ
投げて
大人しくして
居る。
暫く
時間が
經つと
又姉ようと
喚ぶ。