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公
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おおや
ふりがな文庫
“
公
(
おおや
)” の例文
鍋久でも世間の手前、この一件を余り
公
(
おおや
)
け沙汰にしたくないので、役人らにもよろしく頼んで、いっさいを内分に納めることにした。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは
公
(
おおや
)
けにこそ明言しないが、向うでも腹の底で正式に認めるし、僕も
冥々
(
めいめい
)
のうちに彼女から僕の権利として要求していた事実である。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分の悪い事を
公
(
おおや
)
けにするは余り面白くもないが、
正味
(
しょうみ
)
を言わねば事実談にならぬから、
先
(
ま
)
ず
一
(
ひ
)
ト通り幼少以来の飲酒の歴史を語りましょう。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
もしそれだけが間接にあらゆる者の収入から控除されるならば、彼れは
公
(
おおや
)
けの負担に対するその正当な分前を支払うことを避け得ないのである。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
警察の保護を受けるのはいいが、そうなると、あの黄金メダルのことも
公
(
おおや
)
けに知られてしまう。すると戸倉老人の心に反することになりそうだ。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
そんなことを
公
(
おおや
)
けにするのはいかにもくやしいかもしれない。しかし、そうすれば一度だけみじめな思いをして、それですぐに済んでしまうんだ。
妻
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
一女性の問題に心を
奪
(
うば
)
われて
公
(
おおや
)
けの問題を忘れることは、かれにとっては、人間としての良心の問題であり、少なくとも自尊心の問題だったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
これらの法律は、
公
(
おおや
)
けの舞踊手や歌手の妻、またはその妻の姦淫によって生活するが如き下等な男の妻に関するものではない、と記されているが、これは2
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
自分は専門でないので確かなことは言えぬが、和漢両朝の交通が始まった頃には、もう嘗という収穫後の祭は、漢土には少なくとも
公
(
おおや
)
けに行われていなかったらしい。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そうすると、今までは多少遠慮の気味でこすりつけていた牛が、もう
公
(
おおや
)
けに許された気になって、全身をあげて、茂太郎にこすりついて来たその
懐
(
なつ
)
っこさといったらありません。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「大変なことがあるんだ。これが
公
(
おおや
)
けになったら熊本さんの一生は台なしだよ。君はあんなにして特に親しいから、君からいっぺん忠告してやれよ」と親切にお
節介
(
せっかい
)
を焼いてくれます。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
践祚の告辞のような
公
(
おおや
)
けの言葉の中にも、わが人民の幸福のためにする、すべての努力に当り、常にわが妻の在ってわれを輔けることを思い、力づけられる、というようなことをいった。
この頃の皇太子殿下
(新字新仮名)
/
小泉信三
(著)
そしてその結果が一通りわかって来たので、一八六五年にブリュンの博物学会の会合の席で、これを発表し、その翌年にはこの学会の記要に「雑種植物の研究」という題で、論文を
公
(
おおや
)
けにしました。
グレゴール・メンデル
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
まじめに訴えるということは、
公
(
おおや
)
けの義務である
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
これが好評で、紫紅君は明くる三十九年の秋に『七つ
桔梗
(
ききょう
)
』という史劇集を
公
(
おおや
)
けにした。松葉君はこの年の四月、演劇研究のために洋行した。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だから順序からいうと、第二巻が最初に
公
(
おおや
)
けにされた訳になる。そうして去年五月発行とある新刊の方は、かえって第一巻に相当する
上代
(
じょうだい
)
以後の歴史であった。
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
フランスのユーゴーが「
哀史
(
レ・ミゼラブル
)
」を
公
(
おおや
)
けにしたのは、その五年ほど以前であります。英のラスキンが美術論から、社会改良の理想に進んで行ったのも、この時代のことであります。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この信仰が
夙
(
はや
)
く少数の氏族に限られて、
公
(
おおや
)
けには承認せられなくなったらしいが、沖縄諸島ではなお久しい後まで、是が協同生活の根幹をなし、ニルヤの交通をもって
職掌
(
しょくしょう
)
とした人々が
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
殺されたのは、「松」こと
椎名咲松
(
しいなさきまつ
)
という男であって、これは団員となっているが、実は其の筋の
密偵
(
みってい
)
をつとめていた人物だった。椎名咲松の殺されたことは
公
(
おおや
)
けに対しての挑戦と見られた。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
実は、ぼくは、世間できわめて重大だと考えている
公
(
おおや
)
けの問題、たとえば現在でいうと、国家の非常時というような問題に対して、恋愛というものが、その本人にとって、実際どのぐらいの比重を
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
こう解釈すると鎌倉にいた時の僕は、あれほど単純な彼女をして、僕の前に高木の二字を
公
(
おおや
)
けにする勇気を失わしめたほど、不合理に機嫌を悪くふるまったのだろう。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最近の
候文
(
そうろうぶん
)
時代まで、守りつづけていた
公
(
おおや
)
けの過失のためであった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
五六
頁
(
ページ
)
繰って行くうちに、ふと教授の名前が眼にとまったので、また新らしい著書でも
公
(
おおや
)
けにしたのか知らんと思いながら読んで見ると、意外にもそれが
永眠
(
えいみん
)
の報道であった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
公
(
おおや
)
けの大事にしか関与なされなかったのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
芸術家としての彼は
己
(
おの
)
れに
篤
(
あつ
)
き作品を自然の気乗りで作り上げようとするに反して、職業家としての彼は評判のよきもの、
売高
(
うれだか
)
の多いものを
公
(
おおや
)
けにしなくてはならぬからである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それでこの二人の間には、号外発行の当日以後、今夜小六がそれを云い出したまでは、
公
(
おおや
)
けには天下を動かしつつある問題も、格別の興味をもって迎えられていなかったのである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
動くべき社会をわが力にて動かすが道也先生の天職である。高く、
偉
(
おお
)
いなる、
公
(
おおや
)
けなる、あるものの
方
(
かた
)
に一歩なりとも動かすが道也先生の使命である。道也先生はその他を知らぬ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は現今の文学者の
公
(
おおや
)
けにする創作のうちにも、寺尾の翻訳と同じ意味のものが沢山あるだろうと考えて、寺尾の矛盾を
可笑
(
おか
)
しく思った。けれども面倒だから、口へは出さなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“公”の解説
公(こう)は、古代の中国語では個々に細かく分かれた「私」を包括した全体を意味する語である。また、一部に偏らないという意味を含む。このことから「公平」という熟語を生ずる。
この項目では中国に限らず、「公」に相当する日本やヨーロッパにおける称号、爵位、尊称などについても述べる。
(出典:Wikipedia)
公
常用漢字
小2
部首:⼋
4画
“公”を含む語句
公然
公園
乃公
郭公
公孫樹
女主人公
貴公
公衆
公卿
奉公
蒲公英
公爵
主人公
猿公
公家衆
公司
公家
清正公
公儀
公子
...