丸窓まるまど)” の例文
「こっちは、丸窓まるまどといたしましょう。少々むつかしいな。手塩皿てじおざらもってきて大吉、型をとるから。それとおぼんもな。わた出すから」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
房枝ふさえは、三等船室の丸窓まるまどに、顔をおしあてて、左へ左へと走りさる大波のうねりを、ぼんやりと、ながめていた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
果敢はかなのやとうちあふげばそら月影つきかげきよし、ひぢせたる丸窓まるまどのもとにんのさゝやきぞかぜをぎともずり、かげごとかあはれはづかし、見渡みわた花園はなぞのるのにしきつきにほこりて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さあ そこに丸窓まるまどとびらがあるから のぞいてごらん
丸窓まるまどにうつるまつのかげ、幾夜いくよながめてつきやみになるまゝにいとこゝろそのとほり、うちあけてはひもならぬ、となりひと素性すじやうきゝたしとおもふほど、意地いぢわろくれもげぬのかそれともにらぬのか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこの丸窓まるまどからのぞいてごらん