“妍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けん75.7%
かおよ8.1%
かほよ8.1%
あざ2.7%
あで2.7%
みめよ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また、内裏から御供してきた女房たちも、一の車、二の車、三の車と、それぞれの簾から匂いこぼれて、末の廂の間にけんを競うた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といいかけてまず微笑ほほえみぬ。年紀とし三十みそじに近かるべし、色白くかおよき女の、目の働き活々いきいきして風采とりなりきゃんなるが、扱帯しごききりりともすそを深く、凜々りりしげなる扮装いでたちしつ。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
浮世うきよかゞみといふもののなくば、かほよきもみにくきもらで、ぶんやすんじたるおもひ、九しやくけん楊貴妃ようきひ小町こまちくして、美色びしよくまへだれがけ奧床おくゆかしうてぎぬべし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白酒の酔いにほんのりと色ざした、眼元、口元、ふくよかな頬にまで花のあざやかさを見せたる、やがての春も偲ばるるものである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
むかし住吉のやしろで芸者を見た事がある。その時は時雨しぐれの中に立ち尽す島田姿が常よりはあでやかに余がひとみを照らした。箱根の大地獄で二八余にはちあまりの西洋人にった事がある。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さればイフィジェニアはそのみめよきがために泣き、かゝる神事じんじを傳へ聞きたる賢者愚者をしてまた彼の爲に泣かしむ 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)