“妍(かほよ)” の例文
浮世(うきよ)に鏡(かゞみ)といふ物(もの)のなくば、我(わ)が妍(かほよ)きも醜(みにく)きも知(し)らで、分(ぶん)に安(やすん)じたる思(おも)ひ、九尺(しやく)二間(けん)に楊貴妃(ようきひ)小町(こまち)を隱(か)くして、美色(びしよく)の前(まへ)だれ掛(がけ)奧床(おくゆか)しうて過(す)ぎぬべし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まだ維廉(ヰルヘルム)一世の街に臨める窻(まど)に倚り玉ふ頃なりければ、樣々の色に飾り成したる禮裝をなしたる、妍(かほよ)き少女の巴里まねびの粧したる、彼も此も目を驚かさぬはなきに
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
胸張り肩聳(そび)えたる士官の、まだ維廉(ヰルヘルム)一世の街に臨める窻(まど)に倚(よ)り玉ふ頃なりければ、様々の色に飾り成したる礼装をなしたる、妍(かほよ)き少女(をとめ)の巴里(パリー)まねびの粧(よそほひ)したる、彼も此も目を驚かさぬはなきに
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)