“みぶるひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
身震31.6%
身顫21.1%
戦慄15.8%
身慄15.8%
戰慄5.3%
身振5.3%
震動5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、砂地すなぢ引上ひきあげてある難破船なんぱせんの、わづかに其形そのかたちとゞめてる、三十こくづみ見覺みおぼえのある、ふなばたにかゝつて、五寸釘ごすんくぎをヒヤ/\とつかんで、また身震みぶるひをした。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そしてまた強い痙攣けいれんするやうな身顫みぶるひをした。彼のすぐ傍にゐたので私は、憤怒、または絶望の痙攣的けいれんてきな顫へが、彼の身體を駈けめぐるのを感じた。
急につめた戦慄みぶるひが全身を伝つて流れ下る。さあ、丑松もすこし躊躇ためらはずには居られなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
如何いかにも古風こふうらしい一個ひとり英國人エイこくじんつてつたが、この活劇ありさまるより、ぶるぶると身慄みぶるひして
吾々は深い海を下瞰みおろして思はず互に顏を見合せた。其時急激な、不思議な戰慄みぶるひは私の身體を傳つた。私は長くそこに立つて居られないやうな氣がした。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
生活の堕落は精神の自由を殺す点に於て彼の尤も苦痛とする所であつた。彼は自分の肉体に、あらゆる醜穢しうえり付けたあと、自分のこゝろの状態が如何に落魄するだらうと考へて、ぞつと身振みぶるひをした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しまひにはあの『ざまあ見やがれ』の一言を思出すと、慄然ぞつとするつめた震動みぶるひ頸窩ぼんのくぼから背骨の髄へかけて流れ下るやうに感ぜられる。今は他事ひとごととも思はれない。あゝ、丁度それは自分の運命だ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)