震動みぶるひ)” の例文
しまひにはあの『ざまあ見やがれ』の一言を思出すと、慄然ぞつとするつめた震動みぶるひ頸窩ぼんのくぼから背骨の髄へかけて流れ下るやうに感ぜられる。今は他事ひとごととも思はれない。あゝ、丁度それは自分の運命だ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)