“まきつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
捲付33.3%
卷着22.2%
巻着11.1%
巻附11.1%
撒付11.1%
蒔付11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白木綿に朱印をベタベタとした巡礼の笈摺おいずりを素肌に引っかけて、腰から下に色々ボロ布片きれを継合わせた垢黒あかぐろい、大きな風呂敷ようのものを腰巻のように捲付まきつけている恰好を見ると
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さて銀側ぎんがは懷中くわいちう時計どけいは、散策さんさくさいはなさず、くだんおび卷着まきつけてあるのだから、とき自分じぶんにもあきらかであらう、さき郵便局いうびんきよくまへとほつたのが六時ろくじ三十分さんじつぷんで、かへみち通懸とほりかゝつたのが
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
船のある事……帆柱ほぼしら巻着まきついた赤い雲は、夕日の余波なごりで、鰐の口へ血の晩御飯を注込つぎこむんだわね。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すなは今時こんじ内職ないしよく目的もくてきかゆあらず塩にあら味噌みそあらず安コートを引被ひつかけんがためそろ安縮緬やすちりめん巻附まきつけんがためそろ今一歩をすゝめて遠慮ゑんりよなく言はしめたまへ安俳優やすはいいうに贈り物をなさんがめにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
気がかれます故、新兵衞は突然いきなり一分銀いちぶぎんを一掴みパラ/\と撒付まきつけますと、それ金が降って来たと、餓虎がこの肉を争う如く金を拾わんと争う間を駈抜けて文治の前へまいりまして
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
郊外は収穫とりいれの為にせはしい時節であつた。農夫の群はいづれも小屋を出て、午後の労働に従事して居た。の稲は最早もう悉皆すつかり刈り乾して、すでに麦さへ蒔付まきつけたところもあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)