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ふゆくわい
けれど
爲うことなしに
眠るのはあたら一
生涯の一
部分をたゞで
失くすやうな氣がして
頗る
不愉快に
感ずる、
處が
今の
場合、
如何とも
爲がたい、
眼の
閉るに
任かして
置いた。
家のうちには
不愉快で
居たゝまれないからのお
遊び、こんな
事をして
良人を
放蕩に
仕あげて
仕舞ふたのです、
良人は
美事家を
外にするといふ
道樂者に
成つて
仕舞ひました。
軈て
後の
林の
梢から
斜に
雪が
吹きおろして
來た。
卯平は
少時躊躇して
柹の
木の
根に
其の
疲れた
身を
倚せた。
暫くして
彼は
雪が
冷たく
自分の
懷に
溶て
不愉快に
流れるのを
知つた。