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じやうひん
京都の
襟新と
云ふ
家の
出店の
前で、
窓硝子へ
帽子の
鍔を
突き
付ける
樣に
近く
寄せて、
精巧に
刺繍をした
女の
半襟を、いつ
迄も
眺めてゐた。その
中に
丁度細君に
似合さうな
上品なのがあつた。
飯のつけやうも
効々しい
女房ぶり、
然も
何となく
奥床しい、
上品な、
高家の
風がある。
投げた
時、
偶と
渠は、
鼓打である
其の
従弟が、
業体と
言ひ、
温雅で
上品な
優しい
男の、
酒に
酔払ふと、
場所を
選ばず、
着て
居る
外套を
脱いで、
威勢よくぱつと
投出す、
帳場の
車夫などは