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じすぎ
墓原へ
出たのは十二
時過、それから、あゝして、あゝして、と
此處まで
來た
間のことを
心に
繰返して、
大分の
時間が
經つたから。
二人は
何時もの
通り十
時過床に
入つたが、
夫の
眼がまだ
覺めてゐる
頃を
見計らつて、
御米は
宗助の
方を
向いて
話しかけた。
七
時過に
彼ははつとして、
此夢から
覺めた。
御米が
何時もの
通り
微笑して
枕元に
曲んでゐた。
冴えた
日は
黒い
世の
中を
疾に
何處かへ
追ひ
遣つてゐた。
御米は十
時過に
歸つて
來た。
何時もより
光澤の
好い
頬を
灯に
照らして、
湯の
温のまだ
拔けない
襟を
少し
開ける
樣に
襦袢を
重ねてゐた。
長い
襟首が
能く
見えた。