“いわかげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
岩陰26.7%
岩蔭26.7%
巌陰13.3%
岩影6.7%
岩陲6.7%
巌蔭6.7%
巖陰6.7%
石陰6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくし默然もくねんとして、なほ其處そこ見詰みつめてると、暫時しばらくしてその不思議ふしぎなる岩陰いわかげから、昨日きのふ一昨日おとゝひいた、てつひゞきおこつてた。
御簾みすを掛け変えさせ、あちこちの座敷の掃除そうじをさせ、庭の岩蔭いわかげにたまった紅葉もみじの朽ち葉を見苦しくない程度に払わせ、小流れの水草をかき取らせなど女王はさせた。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
もう三人の人買ひとかい背後うしろ巌陰いわかげにかくれている時であったよ
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
漸々だんだん西にしかたむいて、なみうえ黄金色こがねいろかがやいて、あちらの岩影いわかげあかひかった時分じぶんには、もうそのふね姿すがたなみうちかくれて、けむり一筋ひとすじそらのこっていたばかりです。
赤い船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると木陰や岩陲いわかげからは例の人影が現われでその後を静かに追って行く。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この谷をはさんだ二つの山はまだ暁暗ぎょうあんの中に森閑しんかんとはしているが、そこここの巌蔭いわかげに何かのひそんでいるらしい気配けはいがなんとなく感じられる。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さっきから水戸は、巖陰いわかげからオルタの町の方を見下ろしていたが、振り向いてドレゴの顔を見ながら、そういった。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
雲ならで通はぬ峰の石陰いわかげに神世のにほひ吐く草花くさのはな
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)