“つくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツクシ
語句割合
筑紫57.3%
土筆36.0%
竺紫1.1%
1.1%
土筆草1.1%
1.1%
1.1%
衝石1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大伴旅人の歌に、「此処にありて筑紫つくし何処いづく白雲の棚引く山のかたにしあるらし」(巻四・五七四)というのがあって、形態が似ている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
下るべき水は眼の前にまだゆるく流れて碧油へきゆうおもむきをなす。岸は開いて、里の子の土筆つくしも生える。舟子ふなこは舟をなぎさに寄せて客を待つ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
次に佐佐宜の王は、伊勢の神宮をいつきまつりたまひき。この御世に、竺紫つくしの君石井いはゐ、天皇の命に從はずしてゐや無きこと多かりき。
はいなしこめ醜めききたなき國に到りてありけり。かれ吾は御身おほみまはらへせむ」とのりたまひて、竺紫つくし日向ひむかの橘の小門をど阿波岐あはぎに到りまして、みそはらへたまひき。
すくひ出し申上候處其事私しへうたがかゝり夫は/\誠におそろしき責苦せめくを受候御事詞にも筆にもつくしがたく斯樣かやうの儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
里扶持さとふぢとして下しおか都合つがふ八百五十石となりいよ/\忠勤ちうきんつくしけりこゝ徳太郎君とくたらうぎみは日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じき下には、地方裁判所の樺色かばいろの瓦屋根があって、その先には道庁の赤煉瓦、その赤煉瓦を囲んで若芽をふいたばかりのポプラが土筆草つくしのようにむらがって細長く立っていた。それらの上には春の大空。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼は毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑色が乾着いている、刃先の白いつくしを担いで、鉈豆煙管なたまめきせるきざみ煙草を燻しながら、芋蔓の絡んでいそうな、籔から籔と覗き歩いた。
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
終にここを捨てて女子高等師範学校の教官となりしは昨年春の事なりけん。ついで九月始めて肺患にかかり後赤十字社病院に入り療養をつくしかいもなく今年二月一日に亡き人の数には入りたりとぞ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
即ち単に「突く衝石つくし」という以外に、更に第二の系統に属する「ぐ」という趣旨が添加していたからだと信ずる。