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食鹽
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しよくえん
やまと
煮と
書いた
牛肉の
鑵詰が三
本と
菓子でもあるかと
思ふ
小さな
紙包の
堅めた
食鹽の四つ五つとが
出た。
南の
女房は
食鹽の一
箇を
手にして
見ながら
羨ましげにいつた。おつぎも
珍らし
相にして
南の
女房の
手を
覗いた。
勘次も
白い
食鹽を
爪の
先で
少しとつて
口へ
入た。
其の
夜勘次の
家には
突然一
同を
驚愕せしめた
事件が
起つた。それは
事もなく
濟んでさうして
餘りに
滑稽な
分子を
交へて
居た。
與吉は
其の
日の
夕方、
紙へ
包んだ
食鹽を
一つ
盜んだ。