青々あほ/\)” の例文
また彼方かなたでは、一團いちだん水兵すいへいがワイ/\とさわいでるので、何事なにごとぞとながめると、其處そこ小高こだかをかふもとで、椰子やし橄欖かんらん青々あほ/\しげり、四邊あたり風景けしき一際ひときわうるはしいので、今夜こんや此處こゝ陣屋ぢんやかまへて
かしかるべし御覽ごらんぜずやとわりなくすゝめてしばめづらしくともなでぬひとこゝろのうやむやはらずやしげ木立こだちすゞしくそでかぜむねにしゝうえはたす小田をだ早苗さなへ青々あほ/\として處々ところ/″\かわずこゑさま/″\なるれもうたかや可笑をかしとてホヽしうれもうれしく彼方かしこかやぶきこゝ垣根かきねにはうちしきやうなりはな
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)