隣室りんしつ)” の例文
あるときは、隣室りんしつてゐるKの夫人ふじんゆすおこされてましたが、彼女かのぢよにはそれがたんゆめとばかり、すことができなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
そうではないのです……。いくどもお願いしますが、説明はあとで隣室りんしつですることでおゆるしください。もしもかれらを
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隣室りんしつの法学生ともいく度か話をした。とにかく人の話をおもしろく聞かれるようになった。給仕きゅうじの下女に愛想あいその一言もいうようになった。同級生に知り合いができて訪ねてくる。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかるに次の年の春、塚山が芸者をつれて箱根へ遊びに行った時、同じ旅館の隣室りんしつに泊っていた六十あまりの老夫婦が、おたみの稚顔おさながおによく似た少女をつれているのを見て、様子をきくと
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
窓のないこの部屋の四つの壁は、隣室りんしつにつうずる二つのドアをのぞいたほかは、ぜんぶが横に長いたなになっていた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隣室りんしつには、Aの夫人ふじん、Cの母堂ぼだうわかいTの夫人ふじんあつまつてゐた。病室びやうしつはうでのせはしさうな醫員いゐん看護婦かんごふ動作どうさしろふくすれおと、それらは一々病人びやうにん容態ようたいのたゞならぬことを、隣室りんしつつたへた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
これは常識による推理ですが、針目博士はあの部屋の爆発危険ばくはつきけんをかんじて、あなたがた係官を隣室りんしつ退避たいひさせた。そしてじぶんひとり、あの部屋にのこった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
同じような部屋割りの隣室りんしつだった、椅子もないので、私達はベッドの上に腰を下した。ここにしばらくの時間があるが、この間に帆村とうまく連絡を取っておかねばならない。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ガチャリッ」と硝子ガラスの破れる音が隣室りんしつですると、屋根から窓下にガラガラッと大きな物音をさせて墜落ついらくしたものがある。ソレッというので一同はドアを押し開いて隣室に飛びこんだ。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隣室りんしつのハンスのこえである。部屋の扉は、いまにも叩き割られそうである。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
△音響、畳をけってたち、隣室りんしつふすまをあける。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「お姉さま」と千鳥が隣室りんしつから呼んだ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)