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長櫃
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ながびつ
ふりがな文庫
“
長櫃
(
ながびつ
)” の例文
一方の厚戸の
閂
(
かんぬき
)
を
外
(
はず
)
すと、仏具入れの
長櫃
(
ながびつ
)
がある。位置が変だ。二人がかりで横へ移す。——と、たしかに下へ降りられる穴倉の口。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が客に見せたいと思う古文書なぞは、取り出したら
際限
(
きり
)
のないほど
長櫃
(
ながびつ
)
の底に
埋
(
うず
)
まっている。あれもこれもと思う心で、彼は奥座敷から古い庭の見える方へ行った。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
大刀
(
たち
)
を振りかざし
掛声
(
かけごえ
)
も猛に、どこやらの
邸
(
やしき
)
から持ち出したものでございましょう、重たげな
長櫃
(
ながびつ
)
を四五人連れで
舁
(
か
)
いて渡る足軽の姿などは、一々目にとめている
暇
(
いとま
)
もなくなります。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
四方
(
よも
)
の壁と
穹窿
(
まるてんじょう
)
とには、
鬼神
(
きじん
)
竜蛇
(
りょうだ
)
さまざまの形を
画
(
えが
)
き、「トルウヘ」といふ
長櫃
(
ながびつ
)
めきたるものをところどころに
据
(
す
)
ゑ、柱には
刻
(
きざ
)
みたる
獣
(
けもの
)
の
首
(
こうべ
)
、古代の
楯
(
たて
)
、
打物
(
うちもの
)
などを懸けつらねたる
間
(
ま
)
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「れぷろぼす」の悦びは申すまでもあるまじい。ぢやによつて帝の行列の後から、三十人の力士もえ
舁
(
か
)
くまじい
長櫃
(
ながびつ
)
十棹
(
とさを
)
の宰領を承つて、ほど近い御所の門まで、鼻たかだかと御供仕つた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
長櫃
(
ながびつ
)
の中へ入れておくうちに七月十一日になって死んでしまった。
四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
実方
(
さねかた
)
の
長櫃
(
ながびつ
)
通る夏野かな 蕪村
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
実方
(
さねかた
)
の
長櫃
(
ながびつ
)
通る夏野かな
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
脇船の底——
長櫃
(
ながびつ
)
の中——そこにあるのは永遠の悲恋と恐怖の闇ではないか。このかがやかしい
光明
(
ひかり
)
の
微塵
(
みじん
)
もないのである。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四方
(
よも
)
の壁と
穹窿
(
まるてんじょう
)
とには、
鬼神竜蛇
(
きじんりょうだ
)
さまざまの形をえがき、「トルウヘ」という
長櫃
(
ながびつ
)
めきたるものをところどころにすえ、柱には刻みたる獣の
首
(
こうべ
)
、古代の
楯
(
たて
)
、打ち物などをかけつらねたる間
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
雀色時
(
すずめいろどき
)
の
靄
(
もや
)
の中を、やつと、この館へ
辿
(
たど
)
りついて、
長櫃
(
ながびつ
)
に起してある、炭火の赤い焔を見た時の、ほつとした心もち、——それも、今かうして、寝てゐると、遠い昔にあつた事としか、思はれない。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
昼日なかの大路を、
大刀
(
たち
)
を振りかざし
掛声
(
かけごえ
)
も猛に、どこやらの
邸
(
やしき
)
から持ち出したものでございませう、重たげな
長櫃
(
ながびつ
)
を四五人連れで
舁
(
か
)
いて渡る足軽の姿などは、一々目にとめてゐる
暇
(
いとま
)
もなくなります。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
実方
(
さねかた
)
の
長櫃
(
ながびつ
)
通る夏野かな
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「されば、今すぐに俵一八郎と一緒に積み込むつもり、その
長櫃
(
ながびつ
)
をあれまで持ちだしてくれと申すのじゃ」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あわてちゃいけませんぜ、
夜半
(
よなか
)
になったら
卍
(
まんじ
)
丸へ運びこむから、支度をしておけと旦那がおっしゃったんで、たッた今女をこの
長櫃
(
ながびつ
)
へ押し込んでいたところでさ」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
櫃
漢検1級
部首:⽊
18画
“長”で始まる語句
長
長閑
長襦袢
長押
長火鉢
長椅子
長刀
長柄
長靴
長持