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ふりがな文庫
“
酒場
(
バア
)” の例文
それから二三日した、或る日の午後、私はバツト
酒場
(
バア
)
の二階の窓から、ぼんやりと、下の活動寫眞街を往き來してゐる群集を眺めてゐた。
水族館
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
街裏の
酒場
(
バア
)
「
騒音と煙
(
ショル・ウント・ラウフ
)
」の一隅に於て、酔っぱらいの私がやはり酔っぱらいのオング君を、十年振りに見出したと思いたまえ。
十年後の映画界
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
級
(
クラス
)
では、
礼奴
(
れいぬ
)
さんがお母さんと二人で、横浜の海岸通りで
酒場
(
バア
)
をやっているのだという噂が伝説のように信じられていた。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「ダイス」は清水町にあったスタンド
酒場
(
バア
)
で、大阪の最初の空襲の時焼けてしまったが、「ダイス」のマダムはもと宗右衛門町の芸者だったから
世相
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
が、また娘分に仕立てられても、奉公人の謙譲があって、出過ぎた
酒場
(
バア
)
の給仕とは心得が違うし、おなじ勤めでも、芸者より一歩
退
(
さが
)
って
可憐
(
しおら
)
しい。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
たとえて言えば、僕はかつて、自分の好みの特種の自動車が来るまで、ブロード・ウェイの
酒場
(
バア
)
で四十五分も待っていた一人の男を見たことがあった。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
旅館から数間先に、小綺麗な
酒場
(
バア
)
がある。彼はその朝軽い食事をしたのみで、午後四時になるまで、水一杯も口に入れなかった事を思出して苦笑した。
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
実にウンザリしながらも、誘い出したのが身の不運と
諦
(
あきら
)
めて、私は苦虫を
噛
(
か
)
み
潰
(
つぶ
)
したような顔をして、アーケード伝いにホテルの
酒場
(
バア
)
へはいり込んだ。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「僕はボヘミヤンだ。君のようなエピキュリアンじゃない。到る処の
珈琲店
(
カッフェ
)
、
酒場
(
バア
)
、ないしは
下
(
くだ
)
って
縄暖簾
(
なわのれん
)
の
類
(
たぐい
)
まで、ことごとく僕の
御馴染
(
おなじみ
)
なんだ。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
(
その
)
中で活動写真、
寄席
(
よせ
)
、
酒場
(
バア
)
、
喫茶店
(
カフエエ
)
などの軒を並べて居るゲエテ
街
(
まち
)
丈
(
だけ
)
が地獄の色の様な
火明
(
ひあかり
)
に赤く
煙
(
けぶ
)
つて居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
百合子が、
酒場
(
バア
)
とホテルを兼ねて、そして村人達のクラブにもなつてゐるところだ——などゝ説明してゐた。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
恰も大阪の不良少年が、あの大阪式の言語道斷に俗惡な
酒場
(
バア
)
で、毎晩々々給仕女を張つてゐるやうな生活をさへ、彼は藝術家の特權か何かと考へてゐるらしかつた。
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
短気で喧嘩ばかりしていて、いつも困っていたんです。途中で降りて
酒場
(
バア
)
で一杯引っかけて来ると一層気が荒くなって、運転が乱暴になっちゃってトテモ恐ろしかったんです。
衝突心理
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それから小半時間ばかりして、友の松本が彼らのよく行く銀座の××
酒場
(
バア
)
へ入って行くと、そこの
隅
(
すみ
)
っこの方に一人で淋しそうにウイスキーを飲んでいる曽根の姿を見出した。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
酒場
(
バア
)
の主人は『赤』であるのか『白』であるのか、まるで見当がつかなかった。
放浪の宿
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
男の言葉を真似たり、「
酒場
(
バア
)
」あたりから流れ出る流行語を口にしたりする。
言葉の魅力[第一稿]
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
私共はそれから、程近い郊外にある私の心やすい小いさな
酒場
(
バア
)
へ行った。雨が降っているし、学生は大方試験最中だし、酒場は静かであった。
風船美人
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
どうせ
隙
(
ひま
)
だからいつまでも待とうと云うのを——そういってね、
一旦
(
いったん
)
運転手に分れた——こっちの町
尽頭
(
はずれ
)
の、茶店……
酒場
(
バア
)
か。……ざっとまあ、
饂飩屋
(
うどんや
)
だ。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平生自分が、大阪特有の安音樂の絶間なく奏されてゐる
酒場
(
バア
)
を、口を極めて罵倒してゐるので
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「レエヌが、横浜の海岸通りで、母と兄と三人で小さな
酒場
(
バア
)
をやっていたことをご存知ですか」
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ドオバアからオスタンド迄の海上三時間は少し
許
(
ばか
)
り波の立つのを感じた。晶子を
酒場
(
バア
)
の
側
(
そば
)
の
寝台
(
ねだい
)
へ休息させて置いて、自分は
甲板
(
かんぱん
)
の上の
船客
(
せんきやく
)
に交つて涼しい汐風に吹かれて居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
この寺院と
斜
(
はす
)
かいになった十字路の角は、ロシヤ人の
酒場
(
バア
)
だった。
放浪の宿
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
僕は近くの
酒場
(
バア
)
に入つて
X氏の手帳
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
酒場
(
バア
)
!
出発
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
『街を一時間近く散歩して、裏通りのヨロピン
酒場
(
バア
)
へ寄りました。そこで夜中の一時近くまで酒を飲んで、それからタクシイを呼んで貰って八木の家へ泊りに行ったのです。』
遺書に就て
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
むかし、
酒場
(
バア
)
をやっていたころ、どんなくらしをしていたのか知りませんが、たしかに、そのころのひどい生活がレエヌの性格の中へ深く染み込んでいるのにちがいないのです
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
白耳義
(
ベルジツク
)
は
仏蘭西
(
フランス
)
と同じ貨幤を用ひて居るが、
唯
(
たゞ
)
十文銭や二十五文銭の
孔
(
あな
)
の
開
(
あ
)
いて居るのが
異
(
ことな
)
つて居る。自分は
酒場
(
バア
)
の釣銭に
其
(
その
)
孔
(
あな
)
の
開
(
あ
)
いた白銅を受取つて欧洲の銭で無い気がした。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
最後に
酒場
(
バア
)
へ行ってみると、わが四代目クラブの万能選手、執事兼家僕兼コック兼バアテン兼給仕兼運転手兼その他いろいろの
詫間
(
たくま
)
が氷を割ってレモン・スカッシをつくっていた。
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
すると
酒場
(
バア
)
のところに居合せた窶れ果た女がドリアンに呼びかけた。『プリンス・チャーミング!』この声を聞いて今迄部屋の隅のテーブルに突伏していた一人の水夫が突然その顔を擡げた。
絵姿:The Portrate of Dorian Gray
(新字新仮名)
/
渡辺温
、
オスカー・ワイルド
(著)
そして、誰でも知っているインタアナショナル
酒場
(
バア
)
でビールを飲んだ。
ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
さて、私はH——氏に誘われて、時々バンフィリヤ
酒場
(
バア
)
へ行った。
浪漫趣味者として:―― Ibi omnis effusus labor ! ――
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
また
酒場
(
バア
)
の方からはさかんにコルクを抜く音が聞こえて来た。
絵姿:The Portrate of Dorian Gray
(新字新仮名)
/
渡辺温
、
オスカー・ワイルド
(著)
“酒場”の解説
酒場(さかば)とは、主にアルコール飲料を提供する飲食店の総称で、一般に「接待」を伴わない飲酒店のこと。日常的な表現では飲み屋ともいう。中世においては様々な立場、職業の人間が集まり、互いに情報を提供し、交流を深める社交場としての役割も果たしていた。
(出典:Wikipedia)
酒
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“酒場”で始まる語句
酒場台
酒場女
酒場男
酒場主任
酒場舞踏場