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衷情
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ちゅうじょう
ふりがな文庫
“
衷情
(
ちゅうじょう
)” の例文
『夜すみれにおもむき、久美子に予が
衷情
(
ちゅうじょう
)
を打ち明く。久美女それを
諒
(
りょう
)
とせり。帰来、いささか虚脱を感ず。幸福とはかくの如きものか』
Sの背中
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
四名は、身の
竦
(
すく
)
みを覚えた。秀吉はなお
縷々
(
るる
)
と
衷情
(
ちゅうじょう
)
を洩らした。具体的にも例を挙げて、信雄に対する不満の意を明かし、帰するところ
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顧みるに妾ら学浅く、才
拙
(
せつ
)
なり、加うるに微力なすあるに足らず、しかしてなおこの大事を企つるは、誠に一片の
衷情
(
ちゅうじょう
)
禁ぜんとして禁ずる
能
(
あた
)
わざるものあればなり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
仁恵なる監督官は余が
衷情
(
ちゅうじょう
)
を
憐
(
あわれ
)
んで「クラパム・コンモン」の傍人跡あまり
繁
(
しげ
)
からざる大道の横手馬乗場へと余を
拉
(
らっ
)
し去る、しかして後「さあここで乗って見たまえ」という
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その運命を想い、その
衷情
(
ちゅうじょう
)
を想う。私はこの
書翰
(
しょかん
)
を貴方がたの手に
委
(
ゆだ
)
ねたい。これを通じて私の心が貴方がたの心に触れ得るなら、この世の悦びが一つ私の上に加わるのである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
要不要の論はしばらく
擱
(
さしお
)
き、我が日本国人が外国交際を重んじてこれを
等閑
(
とうかん
)
に附せず、我が力のあらん限りを尽して、以て自国の体面を張らんとするの精神は誠に明白にして、その愛国の
衷情
(
ちゅうじょう
)
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
お貞がこの
衷情
(
ちゅうじょう
)
に、少年は
太
(
いた
)
く動かされつ。思わず
暗涙
(
なみだ
)
を催したり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
またせめては先生の
生前
(
せいぜん
)
において、予がいかにこの
感泣
(
かんきゅう
)
すべきこの
感謝
(
かんしゃ
)
すべき
熱心
(
ねっしん
)
と、いかにこの
欣戴
(
きんたい
)
し
惜
(
お
)
かざる
衷情
(
ちゅうじょう
)
とを
具
(
つぶ
)
さに
言
(
い
)
いも
出
(
いで
)
ずして今日に至りたるは、先生これを
何
(
なん
)
とか思われんなどと
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
その
衷情
(
ちゅうじょう
)
を、三斎はいま、
不図
(
ふと
)
言葉に漏らしてしまったのだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
佐助が
衷情
(
ちゅうじょう
)
を思いやれば事の真相を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
衷情
(
ちゅうじょう
)
を訴えた血涙の文字だと思っているのは、彼自身の感傷が、彼自身を、悲壮にさせていたのだともいえる。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その運命を想い、その
衷情
(
ちゅうじょう
)
を想う。私はこの
書翰
(
しょかん
)
を貴方がたの手に
委
(
ゆだ
)
ねたい。これを通じて私の心が貴方がたの心に触れ得るなら、この世の悦びが一つ私の上に加わるのである。
朝鮮の友に贈る書
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
看護員は実際その
衷情
(
ちゅうじょう
)
を語るなるべし、いささかも飾気無く
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうか、都へお立帰りの上は、この玄徳の
衷情
(
ちゅうじょう
)
を、丞相へくれぐれも篤くお伝えしていただきたい
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
看護員は実際その
衷情
(
ちゅうじょう
)
を語るなるべし、
聊
(
いささか
)
も
飾気
(
かざりけ
)
なく
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかもこの事たるや、容易ならぬ問題でもあるし、一朝一夕に孔明が承諾しようとも考えられないので、
衷情
(
ちゅうじょう
)
を面にあらわして、なお
縷々
(
るる
)
その
間
(
かん
)
の
経緯
(
いきさつ
)
やら自己の意見をも併せのべた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親たちが来て抱きすがって泣いているのを見かけ、いそいで菩提寺の
住職
(
じゅうしょく
)
を訪れて、われらどもの
衷情
(
ちゅうじょう
)
を打明け、そのなきがらを乞いうけました。……手にかけて
殺
(
あや
)
めたものではございません
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、大将十河殿にむかい
衷情
(
ちゅうじょう
)
を訴えてみましたところ、茶人の量見はわからぬが武士にも約束を重んずる義はある。
二刻
(
ふたとき
)
の間だけ、帰宅をゆるしてやろう。客をすましたら再び陣所へ曳くぞ。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、外記の心を聞いてみれば、この人の
衷情
(
ちゅうじょう
)
は身に過ぎて勿体ない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
臣下は、君を思うの余り、死を決して、
諫言
(
かんげん
)
し、御主君には、臣下の
衷情
(
ちゅうじょう
)
を知るも、斬りすてても、思うことをなさろうとするほどな暴君でもおわさぬために。……なるほど、困ったものですな。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——自分の行為を、明らかに
官
(
かみ
)
へ申しあげて、
衷情
(
ちゅうじょう
)
を訴えて、上人の罪をゆるしていただこう。せめて……せめてそれが……」残酷にまで、冬の月が、彼の
蹌踉
(
そうろう
)
として行く足もとを照らしていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なおかつ、万吉の
衷情
(
ちゅうじょう
)
も、いっそう同情にたえないことだ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
衷情
(
ちゅうじょう
)
を述べ
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“衷情”の意味
《名詞》
真心。誠心
本心。
(出典:Wiktionary)
衷
常用漢字
中学
部首:⾐
9画
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
“衷”で始まる語句
衷心
衷
衷甸
衷裡
衷甸両牡
衷甸兩牡